第24話 L’invitation au bal (舞踏会への招待)

おひめさま エピソード

アニメ、『シンデレラ物語』第24話のあらすじです。この回のタイトルは L”invitation au bal (舞踏会への招待)。シャルルのお妃選びを目的とした舞踏会がお城で開かれることになりました。

お妃選び

ザラールのクーデター失敗から一夜明け、王様やお妃さまは、1人、ザラールの悪巧みに気づき、国を救ったシャルルは、すっかり一人前だと関心します。そして、シャルルの教育係だったハンスの発案で、シャルルの后選びの舞踏会が開催されることになりました。

エメラルド王国だけでなく、近隣の国からもやんごとなき身分の未婚の女性が招待されます。

公爵の娘であるサンドリヨンも招待状を受け取りました。サンドリヨンが、亡き母のドレスを着て、舞踏会に行こうとしたら、「こんな古臭いドレス着てこないでよ。恥ずかしすぎる」と、まま姉のカトリーヌとジャンヌに嫌がられます。

まま母の公爵夫人は、サンドリヨンの招待状を破り、「家に残って家事をしろ」と、用事をいっぱい言いつけて、娘2人を連れて出かけてしまいました。

部屋でサンドリヨンが泣いていると、マダムポーレットがやってきます。

以下、詳しく筋書きを書きます。

一夜明けて

うそつきシャルルが王子様だったことを知ったサンドリヨンは、「失礼なことをした」といまだにくよくよしています。一方シャルルは、アレックスと剣術の稽古をしながら、「父上、母上のみならず、ハンスまで、后選びの舞踏会に夢中でさ」とこぼします。

アレックスが、「じゃあ、今度こそ決めなければなりませんね」と言うと、王子は、「ああ、わかってる」と言います。

招待状

身分の高い女性、全員に舞踏会の招待状が届けられ、サンドリヨンももらいました。「今さら、シャルルに会えた義理じゃないけど、せめて今までの失礼を一言、おわびしたい」と、サンドリヨンは、死んだお母さんの水色のドレスとおそろいの色の靴を取り出します。

是が非でも、娘のどちらかを后にしたい公爵夫人は、ドレス選びに力が入ります。2人に試着させ、気に入らないところを、がんがんサンドリヨンに直させました。姉たちの髪やメイクを整えるのもサンドリヨンの仕事です。

「サンドリヨン、サンドリヨン!」と母や姉がこきつかう様子を見て、猫のミーシャは、「まったく、大げさなんだから」とあきれます。

舞踏会の夜が来た

舞踏会当日、すっかり用意がととのった、ジャンヌ、カトリーヌ、そして公爵夫人が家を出ようとするところに、「待ってください。私も行きます」とサンドリヨンが現れます。3人は、サンドリヨンの水色のドレスを、ダサい、古臭いと、さんざんけなし、公爵夫人は、あなたは舞踏会に行かなくていいのよ、とサンドリヨンの招待状をびりびりに引き裂きます(ひどい)。

公爵夫人
いじわるすぎる公爵夫人

さらに、サンドリヨンに、たっぷり用事を言いつけて、3人は出かけてしまいました。

夜、部屋で泣いているサンドリヨンを、動物たちがなぐさめようとします。「もういいの。舞踏会に行けなくても。どうせ、王子様には会えないだろうし。もう疲れたから寝るわ。夢の中なら舞踏会に行けるわ」。

マダムポーレット

すると、いつものように、突然、マダムポーレットが現れ、「サンドリヨン、ほら、舞踏会に行く支度をしなくちゃ」と言います。

ポーレットは、サンドリヨンのお母さんの靴に魔法の杖を一振りして、きれいにしました(映像ではよくわからないけれど、ガラスの靴にしたもよう。たぶんサイズ合わせもしたと思う)。さらに、ドレスをいまふうにして、サンドリヨンの髪をアップにし、メイクもほどこします。

ポーレットは台所に行き、かぼちゃを馬車に、ネズミを4匹の馬にします。驚いている動物たちに杖を一振りしたら、なんと4匹は、4人の人間に変身。御者と従僕です。鳥のパピーは、サンドリヨンの髪の羽飾りになりました。

羽になったパピー
羽になったパピー

こうして支度がすっかり整い、サンドリヨンはお城に向かいます。

「ありがとう。マダムポーレット」

「いいのよ。サンドリヨン、楽しんで来て。あ、でも12時前には戻るのよ。12時になると魔法が消えるから(シンデレラのお約束)」

サンドリヨンに気づかないシャルル

パーティ会場で、シャルルは、「ダンスは嫌いだ」とうそぶいて、積極的に踊りません。ハンスがやきもきしているそのとき、会場に絶世の美女がやってきました。サンドリヨンです。サンドリヨンは、かなり緊張ぎみ。

シャルルは、この美女に目をとめ、すぐにダンスを申し込みます。

シャルル「以前、どこかでお会いしたことがありますか?」

サンドリヨン「い、いえ、初対面ですわ」

化粧と服のせいでしょうか? シャルルは目の前の女性がサンドリヨンだと気づきません。

2人は楽しく踊り、その後、中庭に移動しました。

話し込む2人

12時5分前の中庭。シャルルが、サンドリヨンの顔をしげしげ見るので、サンドリヨンが、「何か、顔についています?」と聞くと、「いや、実は、あなたにちょっと似ている人を知っていて…」と、サンドリヨンのことを話し始めます。

「すぐに笑うし、すぐに怒るし、その子、気分がころころ変わるんです。こうして見てみると、あんまり似てないかな。あ、でも、その顔はそっくりだ」

こんな話で盛り上がったかあと、シャルルは、「人の集まりは苦手だし、気取った服も嫌いだ。王子としてはふさわしくないですよね。本当言うと、この舞踏会にも全く参加したくなかった」とまじめモードに。

「どうしてですの?」

「だって、時間がもったいないですから。私にはまだまだ学ばなければならないことがたくさんあります。王子としても男としても、責任を引き受けるべきことが。自分という人間を見極めたいのです。見かけは重要じゃありません…… あ、初めてあったあなたに、なぜ、本心を話しているんだろう?」

「あなたの本心をもらしたりしませんわ。私が言いたいのは、あなたは嘘つきなんかでは、絶対ないということです」

逃げるサンドリヨン

こんな微妙に噛み合わない話をしていると、時計台の鐘が12時を打ち始め、サンドリヨンはあわてます。

「どうしたんですか?」

怪訝な顔をしてサンドリヨンの手をとったシャルルにサンドリヨンは言います。

「……すみません。もうおいとましなければ。とても楽しい夜でした」

「待ってください。まだあなたの名前も聞いていません。あなたの名前は?」

パピー(髪飾り)「早く、サンドリヨン!」

「あ、えっと、夢のような時を本当にありがとうございました。どうぞ、いつまでもお元気で」

「なぜ、もう会えないようなことを言うんですか? またお会いして、話をしたいのに」

「手を離してください。お願いです。失礼します」(サンドリヨン、シャルルを振り切って走り始める)

「待ってください!」

魔法がとける

時計が打つ中、サンドリヨンはやたらと長い階段をかけ降りていきます。途中で片方の靴が脱げました。「あ!」と、サンドリヨンが振り向くと、彼女を追うシャルルの姿が見えます。

シャルルとサンドリヨン
シャルルとサンドリヨンの視線が交錯

サンドリヨンは靴を拾わず(ここ、『シンデレラ』を読むたびに不思議に思います。私なら絶対靴を拾って履きます。ブーツやスニーカーじゃないから、すぐに履けるはず。だって、走りにくいじゃないですか)。

サンドリヨンが逃げ帰ったあと、1つだけ残っている靴をシャルルは拾って物思いにふけります。

靴を拾うシャルル
靴を拾うシャルル

急いで馬車に乗り、サンドリヨンたちは出発しますが、お城を抜け、森に入ったあたりで、完全に12時を過ぎ、馬車はかぼちゃに戻り、サンドリヨンたちは、投げ出され、靴もドレスも元通り。サンドリヨンが、お城で手渡した招待状も、元のように散り散りになって、飛び散ります。

ボロいドレスを来て、片足だけ靴をはいた姿で、呆然とお城を見つめるサンドリヨン。ここで、このエピソードが終わります。

魔法がとけたあと
魔法がとけたあと

マジカルな一時

初めてこのエピソードを見たとき、動物たちが人間になって、「サンドリヨン」と1人ずつ呼びかけるところに感動しました。

みな、これまで、ずっとサンドリヨンを支えてきた仲間ですから。

ポーレットが次々と魔法をかけるシーンも好きですが、魔法がとけるシーンのほうが、もっと好きです。1つずつ、魔法がとけていき、招待状がチリとなって、空中を舞い、人間だった動物は元の姿にもどり、サンドリヨンと一緒に、どーんと投げ出される。

最後に、片足だけ靴をはいた姿で、お城をじっと見ているサンドリヨン。

魔法がとけるところを、じっくり見せる『シンデレラ』はあまりないので、ここは見どころではないでしょうか?

魔法は、いつまでも続かないという真実を見せています。

プロットの穴

以前書いたように⇒作品に対する3つの大きな不満。

これまで、オリジナルストーリーでやってきたのに、最後の3つは原作に忠実な展開にしようとしたせいか、このエピソードには、大きなプロットの穴があります。それはシャルルの不思議すぎる心理。自分がサンドリヨンだと彼にあかさないサンドリヨンも変ですが、ここではシャルルについて書きます。

舞踏会で后選びをすることに、シャルルは賛成したのでしょうか? アレックスと剣術をしているとき、「そろそろ年貢の納め時」と、后をとることを覚悟しているように見えます。

このとき、シャルルは、サンドリヨンのことなど、すっかり忘れているかのようです。

前回のエピソードで、サンドリヨンが、「アデュー!」と言って、帰ってしまったし、自分が王子だと彼女が知ったわけだから、翌日、会いに行って、「だまっていてごめん」とかなんとか、多少なりとも説明するべきだと思うのですが。

「もう彼女のことは、忘れたのかな、身分が違うし(しかし、サンドリヨンは公爵の娘なので、充分お妃候補になりうるし、公爵の娘だということをシャルルも知っている)」と思って見ていれば、舞踏会のシーンで、謎の美女に対して、「あなたは、私の知っている人に似ている」と、サンドリヨンのことを話しています。

「なんだ、覚えてるんじゃん。じゃあ、サンドリヨンが舞踏会に来てないかどうか、探すよね、普通。というか、手を取れば、その美女がサンドリヨンだとわかるっしょ。化粧していても、背格好や目の色、声は同じなんだからさ。だって、シャルルは誰よりも勘が鋭い人なんだから」

こんな疑問を感じてしまいます。もっと言えば、超人的な脚力をもつシャルルが本気で追っかければ、階段のところでサンドリヨンに追いつくはず。まあ、サンドリヨンも足は相当速いのですが。

そして、どうやらシャルルはこの謎の美女に心を奪われてしまった様子です。

あんた、サンドリヨンが好きなんじゃなかったの?

こんな疑問が噴出するのはわかりきっているのに、こういう展開にしたのは、やはり、オリジナルの、「2人が舞踏会で出会って、靴が脱げて、それを王子が拾って、持ち主探しをする」というシーンを入れたかったからなんでしょうね。

「シンデレラ」というからには、この展開は絶対はずせないと思ったのかもしれません。

☆この続きはこちら⇒第25話 Le soulier du bonheur (幸せの靴) 

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