第16話 Le prince aux cuisines (厨房の王子)

お城の台所 エピソード

タツノコプロのアニメ『シンデレラ物語』第16話のあらすじです。この回のタイトルは、Le prince aux cuisines です。

高熱を出して倒れるサンドリヨン

日頃の激務がたたったのか、サンドリヨンは高熱を出し、倒れてしまいます。一方、シャルルは、城で、何もかも召使いがやってくれる生活に疑問を感じ、アンニュイな気分です。

ベルース(サンドリヨンの愛犬)とパピー(鳥)が、サンドリヨンのために薬を調達しに街にやってきたら、偶然うそつきシャルルと遭遇。パピーのジェスチャーから、サンドリヨンが病気だと知ったシャルルは医者を連れてサンドリヨンのもとに駆けつけます。

サンドリヨンの枕元で看病をしているシャルルに、公爵夫人は、「あなた、サンドリヨンの友達なんだから、あの子の代わりに家事をしなさい」と無理やり、掃除道具をもたせます。

この日、公爵夫人はザラール公爵を夕食に招待していたのです。

以下はさらに詳しい内容です。

王座って何?とふさぎこむシャルル

冒頭、シャルル王子と側近のアレックスはそれぞれイーゼルに向かって絵を描いています。絵の先生がやってくるまでに作品を仕上げることになっているのですが、シャルルはやる気がでません。

王子:「アレックス、王座っていったい何なのだろう? 食事も着るものも、みんなほかの人がやってくれる。僕はただ絵を描いたり、馬に乗ったりするだけだ」

アレックス:「それは、とても恵まれているとことだと思いますが…」。

サンドリヨンが倒れ、てんやわんやの公爵家

いつも、公爵夫人は、サンドリヨンにたくさんの仕事をさせていますが、この日は、大事なお客が来るので、朝から、サンドリヨンにあれこれ指示をしています。

熱があってふらふらなのに、洗濯をしていたサンドリヨンは、とうとう倒れてしまいます。公爵夫人は、娘2人に、掃除や食事の支度をするよう命じますが、ふだん何もやっていない姉たちには、大鍋のありかすらわかりません。

「もう肝心な時に倒れるなんて、サンドリヨンって本当になんて子なの」とためいきをつきながら、公爵夫人は鍋を探します。

街でベルースとパピーに会うシャルル

公爵夫人と姉たちは、掃除やなんやらで大わらわで、サンドリヨンのことなどまったくかまいません(一応、公爵夫人がサンドリヨンをベッドに運んだと思われますが、もしかしたら、ベルースが運んだのかもしれません)。

心配したベルースとパピーが街に薬を探しにいくと、偶然シャルルに会います。「やあ、きみたち。こんなところで何しているの? サンドリヨンはどこ?」

パピーはジェスチャーで、サンドリヨンが病気だということを知らせます。すぐれた直感を持つシャルルは、パピーがくるくるとまわってピューと言いながら地面に落ちるのをみて、「サンドリヨンが病気なんだね。そうだね?」と言います。

こんなジェスチャーですべてをわかってしまうシャルル

シャルル、看病にかけつける

行動力のあるシャルルは、すぐに医者を見つけ、馬車を飛ばしてサンドリヨンのもとに駆けつけます。はじめて、サンドリヨンの部屋を見て、そのみすぼらしさにちょっと驚くシャルル。

医者は、「疲労のせいだから、ゆっくり休ませて」と言って薬を置いてかえりました。シャルルは、寝ているサンドリヨンに向かって「すぐによくなるよ」とやさしく話しかけます。

サンドリヨンが目覚めたあとは、薬をのますなど、シャルルはサンドリヨンを手厚く看護します。

サンドリヨンの頭のハンカチは、ねずみたちが置いた

家事に挑戦するシャルル

いまだ鍋のありかがわからずあせる公爵夫人は、「そうだ、あの子、まだここにいるのよね?」と目をキラリとさせ、サンドリヨンの代わりにシャルルに家事をさせることにします。

かくしてシャルルは、客間の掃除、薪割り、夕食の支度を頼まれます。シャルルは王子なので、家事なんてやったことがありませんが、勘がいいせいか、もともと器用なのか、掃除はわりとうまくでき、最初こそとまどった薪割りも、すぐにコツをつかみます。

「サンドリヨンがいつもこんなにたくさんの仕事をしていたなんて、ちっとも知らなかった」。斧を持ちながら、シャルルは思います。

豪快すぎるスープ

「僕、料理なんてやったことないんだけど」というシャルルに、カトリーヌは、「スープぐらい作れるでしょ? なんとかしなさい」と食事の支度を命令します。

少し気分がよくなってベッドで起きているサンドリヨンは、動物たちに、料理本を手渡し、「これをシャルルに持っていって。それから、あなたたちも手伝ってあげて」と言います。

料理本を見ながら、淡々と作業をするシャルル。パンを天火(オーブン)に入れるところまではできましたが、スープについては、レシピを読んでも意味がよくわかりません。一応、野菜を洗いましたが、その後は、そのまま、スープの中に野菜を投入します。

世にも大胆なスープ作り

塩こしょうをするときも、2つのシェイカーを一度に持って振りかけ、きわめて適当。しかも、シェイカーのふたがとれて、塩もこしょうもすべて鍋の中に落ちます。しかし、シャルルはそのままこのスープをテーブルに出します。シェイカーのふたすらスープから拾っていないようです。

おもてなしは大失敗

この日の大事なお客様は、ザラール公爵でした。「おお、わざわざ料理を作っていただいたのですか」と喜んでいたザラールですが、スープを見てぎょっとし、一口飲んで吐き出しそうになります。

しかもパンはこげて炭のかたまり。あまりのひどい料理に、ザラール公爵は怒って帰ってしまいます。

シャルルは、城に帰ってからアレックスに、ザラールに、とんでもないスープを食べさせたことや、薪割りのコツを話します。

「庶民の生活に慣れたみたいですね」と言うアレックスに、シャルルは、「いや、そうじゃないけど、どんな人の生活にもそれなりに苦労があるとよくわかったよ。僕は自分の置かれた場所で全力を尽くそうと思う」と言います。

一方サンドリヨンは、看病してくれただけでなく、自分の代わりに家事をしてくれたシャルルに、お礼を言いたかったわ、と動物たちに言うのでした。

シャルルの成長がみてとれる回

前回の、2人の王子が登場するエピソードでも、シャルルは目立っていましたが、この回は完全にシャルルが主役です。

倦怠感を感じていたシャルルが、サンドリヨンの暮らしにふれ、前向きになるいいエピソードだと思います。

サンドリヨンを看病するところは、彼のやさしさがよく出ていますし、豪快な料理をするシーンは何度見ても笑えます。

それにしても、公爵夫人も娘たちも、大事なお客さまのザラール公爵をもてなすのに、よく知りもしない、シャルルにすべてやらせるなんて、いったい何を考えているのでしょうか?

よほど家事が嫌いなんでしょうね。

この続きはこちら⇒第17話 Un Cœur bon et généreux (やさしく寛大な心)

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