気さくで魅力的なシャルル王子

お城の囲い 登場人物

アニメ『シンデレラ物語』の登場人物紹介、2回めは準主役のシャルルです。

エメラルド王国の王子

シャルル王子
森に狩りに出たシャルル王子

シャルルはエメラルド王国の国王と王妃の息子であり、王位継承順位の1位にいる王子さまです。シャルルには兄弟姉妹はいないらしく、継承順位2位以下が誰なのかはよくわかりません。

当時(16世紀~17世紀あたり?)のヨーロッパの王室は、政略結婚がふつうです。フランスの君主は、他国の王女さまをめとっていました。このアニメでは、それ相応の身分の娘であるならば、自国の女性を妻にしてもよいことになっていて、王と王妃は、早くシャルルが結婚することを願っています。

物語の冒頭、シャルルは16歳の誕生日を迎えたばかりで、「もうとっくに結婚していなければならない年」と王さまを嘆かせています。

しかし、シャルルは結婚する気なんて全くありません。

シャルルの人柄

シャルルはもともと頭がよく、直感力、洞察力ともにすぐれています。王子という高貴な身分ではありますが、権力を乱用するタイプではありません。むしろ、権力なんてものにはさして興味がなく、物語のはじめの頃は、将来、王になって国を統治する自覚もたいしてありません。

偉ぶったところは1つもなく、ひょうひょうとした、人当たりのいい庶民派で、誰にでも親切です。特に、初対面からすっかり気に入ってしまったサンドリヨンには、「うそつきシャルル」と呼ばれ、ひどい扱いを受けているのに、あれやこれやと尽くします。

彼は、見かけや身分で人を差別したりもしません。シャルルは、サンドリヨンと会ったとき、彼女をどこかの女中だと思いこんでいましたが、それでも、親切に荷物を持ってあげていました。

シャルルの好きなこと

幼いときから、時期国王としての教育を受けてきたシャルルですが、帝王学は退屈だと思っており、狩り、乗馬、剣術を好んでいます。剣術は城一番の腕前です。アウトドア派ではありますが、一応、絵を描いたりもしますし、王子さまらしく、ダンスもばっちり踊れます。

城での生活が窮屈なので、ときどき、側近のアレックスのベストを借りて平民を装い、街をふらふらするのが最近の彼の趣味です。「1人で出歩くなんて危険すぎます」と止めるアレックスに対して、「1人のほうが目立たなくてよい」と言い、髪をちょっと手でくしゃくしゃにして、「じゃあねー」と出かけて行きます。

うそつきシャルル
ちょっと髪をラフにして変装したつもりのシャルル

彼がサンドリヨンと出会ったのは、そんなふうにして街を散歩しているときでした。サンドリヨンと知り合いになってからは、街に出る回数が増え、そのたびに、いろいろなトラブルに巻き込まれます。

次第に成長していくシャルル

『シンデレラ物語』の魅力に関する記事にも書きましたが、この物語で一番成長するのはシャルルです。

サンドリヨンと知り合い、さまざまな事件を解決していくうちに、彼は、お城の中では知ることができなかった庶民の暮らしや心情にふれ、自分の置かれた場で全力を尽くそうと思うようになるのです。

サンドリヨンも、料理や裁縫の腕をあげ、たくさんの友だちと知り合い、シャルルと冒険をしながら、知見を広めていきます。しかし、シャルルは、サンドリヨン以上に、人間として成長し、最後には、国民のために国を治める自覚をもった、次期国王にふさわしい人間になります。

むしろ、彼は、現国王よりも、立派な王になるでしょう。シャルルの父は、人がよすぎて、側近のザラール公爵に完全にだまされます。エメラルド王国をクーデターの危機から救ったのは、他ならぬシャルルです。

シャルルとサンドリヨン

第2話でサンドリヨンに出会ってから、第23話まで、シャルルは、基本的にずっとサンドリヨンと親しくなりたい、一緒に時間を過ごしたいと思って、サンドリヨンを追いかけています。

王子さまという身分をあかせないため、サンドリヨンに嘘をついてしまいましたが、自分のアイデンティティをぼかしていることをのぞけば、彼はサンドリヨンに対してとても誠実です。

彼のサンドリヨンに対する気持ちは、恋人にして独占したいというものよりも(そもそも、シャルルは結婚などには興味がないです)、いい友だちになりたいという、友情や仲間意識のほうが強いように思います。

「汚い雑草を家に持ち込むな」と継母が怒って窓から捨てるシロツメクサを、シャルルもサンドリヨンも、「きれいな花だ」と大事にすることができる価値観の持ち主です。

この2人は、ソウルメイトであり、互いを高め合うことができる理想的なカップルです。

シンデレラが原作なので、2人は最後には結婚しますが、もう少し、城下で自由に青春を謳歌させてあげたかったと思います(私がそんなことを思っても、何も変わりませんが)。

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