第18話 Un peintre inquiétant (不気味な絵描き)

絵の具 エピソード

アニメ、『シンデレラ物語』第18話のあらすじを紹介します。この回のタイトルは、Un peintre inquiétant (不気味な絵描き)。

Zoét(ゾレ)という名の天才的な画家が登場します。

謎の絵描き

まま母の言いつけで、サンドリヨンは、姉2人の肖像画を描く絵描きを見つけますが、まま母は、この絵描きが気にくわず、すぐに首にします。

サンドリヨンは代わりに、天才とうたわれた画家、ゾレに依頼することにします。サンドリヨンの母親がこのゾレの描いた絵が大好きで、家に1枚かかっており、サンドリヨンはかねてから、この画家に会いたいと思っていました。

ゾレの描いた絵
ゾレの描いた絵

一方、エメラルド城では、王様が、息子シャルルのちゃんとした肖像画を用意したいと考えています。ザラールは、自分はよい画家を知っているが、こちらから出向かなければならない、と言って、王様を説得し、シャルルを城の北のほうにある不気味な城へ連れていきます。

そこでは、ゾレに気に入られたサンドリヨンが彼のモデルになっていました。ゾレは不思議な魔法を使って、サンドリヨンの魂を絵の中に閉じ込めようとしていたのです。

以下にもう少し詳しい話を書きます。

わがままな公爵夫人

カトリーヌとジャンヌのために、サンドリヨンが連れてきた絵描きは、下書きを描いた段階で、公爵夫人に首を言い渡されます。彼は、リアルに2人を描いてしまい、まま母の頭の中にある、2人の美しさを表現できなかったようです。

帰りがけ、彼は、サンドリヨンの家にあるゾレの絵を見つけ、「ああ、僕のあこがれの画家だ。彼のような天才はいない」と言います。

サンドリヨンは母が好きだった絵を描くゾレに会いたいと思い、現在の居場所を首になった画家から聞きます。

ゾレはエメラルド城の北のはてのほうの城に1人で住んでいるのです。

ザラールの計画

エメラルド城では、シャルルに次期国王としてに自覚を促すために、肖像画を描いてもらうといい、というザラールのすすめに王様がのり、ザラールは、不審に思うシャルルをゾレの城まで連れていきます。

心配したアレックスは、事前にシャルルと相談し、こっそり馬でシャルルとザラールの乗った馬車を追います。

馬車はどんどんさびしい場所に入っていきました。

サンドリヨンを気に入るゾレ

ゾレの城につくと、ザラールは大金を渡して、シャルルの絵を描くよう言います。

サンドリヨンも、カトリーヌとジャンヌの肖像画を依頼するため、ゾレに会いに来ますが、ゾレに大金を要求されます。

お金のないサンドリヨンが、しょんぼりして帰りかけたその時、その美しい横顔を見たゾレは、サンドリヨンの絵を描かせてくれ、と頼みます。

サンドリヨン「え、でも、私、お金ありませんよ」

ゾレ「いや、いい。金なんていらん。描かせてくれ」

やさしいサンドリヨンは、なんのために自分がここに来たのかすっかり忘れてモデルになります。

次第に衰弱するサンドリヨン

うおーうおーと苦しそうにうなりながらサンドリヨンの絵を描くゾレ。なぜか、サンドリヨンはだんだん気分が悪くなり、とうとうがっくりと気を失ってしまいます。

画家のゾレ
中国の哲学者ふうのゾレ

実は、ゾレは肖像画の中にモデルの魂を永遠に閉じ込める不思議な魔法(黒魔術)の使い手で、絵ができあがるとモデルは死んでしまうのです。

椅子に倒れ込んだサンドリヨンを見て、心配になったベルース(犬)は、自分の背中に彼女を乗せ(どうやって乗せたのか不思議ですが、乗せる描写はない)、外に連れ出します。

川のそばで、意識を失ったサンドリヨンに声かけをするベルースとネズミ2匹。しかし、サンドリヨンは横たわったままです。

ふと見ると、向こうのほうで、マダム・ポーレットが絵を描いているではありませんか。

ポーレットが、ハンカチを川の水でぬらし、サンドリヨンの額にのせると、サンドリヨンは意識を取り戻しました。

ゾレの城に行くポーレット

事情を聞いたポーレットは、ゾレがモデルの魂を絵にとじこめ、当人を殺してしまうことをサンドリヨンたちに伝えます。その後、ポーレットは、描きかけのサンドリヨンの肖像画を取りに、1人ゾレの城に向かいます。

ゾレの城で、シャルル王子がモデルになっているのをポーレットが見つけたそのとき、ザラールにつかまり、別の部屋に閉じ込められます。頼みの魔法の杖を部屋の外に落としてしまったポーレットは、心の中でベルースを呼びます。

ベルースはポーレットの声を聞き、ネズミ2匹と城に向かいます。サンドリヨンもそのあとを追います。

王子を助けようとするサンドリヨン

サンドリヨンが城に行くと、絵のモデルになっている王子が、意識を失っていました。

もうすぐ肖像画が完成します。サンドリヨンは、あわてて、ザラールに、「いますぐ、私を描いてください!」と頼みます。

ザラールが、「なんだ、このわがまま娘は!」とサンドリヨンを手荒に追い出そうとしたので、ゾレが怒って、「誰を描くかは私が決めることだ」と言い、王子の絵は中断して、サンドリヨンの絵を描き始めます。

ベルースの活躍

ポーレットは、ベルースに、王子とサンドリヨンの肖像画を奪って、川の水につけるよう伝えます。それが絵に閉じ込められた魂を取り戻す唯一の方法だと。

ベルースは、まずシャルルの絵を持ちだし、川の水につけると、絵の具が流れて、シャルルが意識をとりもどしました。

サンドリヨンが意識をなくしているのを見てあわてるシャルルに、ゾラは、「サンドリヨンの魂は永遠にこの絵の中にどじこめるのじゃ、わははは」と、ぺらぺらしゃべります。

絵をよこすよう、シャルルがゾレに言うと、ゾレはサンドリヨンの絵をつかんで窓ガラスを突き破って逃げます(おじいさんなのに、パワフルな人です)。

万事解決

ネズミ2匹のおかげで、ポーレットは魔法の杖を手にすることができました。

シャルルとアレックスにはさまれ、絵をかかえたまま立ち往生しているゾレを見て、ポーレットは雨を降らせます。すると、雨で絵が流れました。

ポーレットが「サンドリヨンが来るまえに、早く逃げて」とシャルルに言ったので、シャルルとアレックスはその場を立ち去ります。

意識がもどり、王子が無事だったことを知ったサンドリヨンは、ゾレが黒魔術を使うまでにいたった話をポーレットから聞きます。

ゾレの悲しい過去

昔、ゾレはすばらしい画家で、たくさんの王族の絵を描いていましたが、あるとき疫病が流行り、ゾレの絵のモデルになった人もたくさん死にました。

「ゾレのせいで死んだのだ」といううわさがたち、以来、誰もゾレに絵を依頼するものはなく、その後、ゾレは、絵に魂をとじこめて人を殺すという、うわさどおりのことをするようになったのです。

この話を知ったサンドリヨンはゾレを気の毒に思い、あらためて絵を描いてくれるよう頼みます。

サンドリヨンのやさしい心にうたれたゾレは、改心し、こんな絵を描いたのでした。

サンドリヨンと動物たち
サンドリヨンと動物たち

ゾレの絵は水彩画なのか?

今回の最大の謎は、ゾレの描く絵の、絵の具の種類です。

川の水や雨で流れるということは、水彩画なのでしょうか?

でも、サンドリヨンの家にある、昔ゾレが描いた絵は、いかにも油絵風でした。

人の魂を閉じ込めることを始めてからは、絵の具を変えたのかもしれません。

それと、ゾレってすごく描くのが早いです。1日で、絵を完成させてしまうようです。

最後に、サンドリヨンがゾレに絵を依頼したとき、ポーレットが、「あなたの黒魔術もさっきの雨で流れたわ」とゾレに言います。

みそぎの文化がある、日本産のシンデレラらしい作品ですね。

この続きはこちら⇒第19話 Les brigands attaquent (盗賊団の襲来)

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