アニメ『シンデレラ物語』第26話のあらすじを紹介します。最終回のエピソードのタイトルは、Un mariage heureux (幸福な結婚式)。シャルルとサンドリヨンの結婚式で大団円を迎えます。その前に一騒動ありますが。
とうとう結婚式
ガラスの靴にぴったりあった足の持ち主、サンドリヨンは、ハンスとアレックスとともに、お城に向かいます。お城では、シャルル王子が待ちかねており、馬車が入ってくるのを見ると、走ってエントランスに向かいます。
馬車から出てきたのは、なんと、24話、25話では、シャルルが、その存在をほとんど忘れていた(ように見える)サンドリヨンではないですか。
しかし、2人は何事もなかったかのように、手を取り合い、シャルルはサンドリヨンを両親に紹介します。挨拶が終わると、すぐに結婚式の準備が始まりました。
以下に、結末まであらすじを書いています。
君だったんだね、サンドリヨン
「シャルル王子、お待ちかねの方はこちらです」。馬車から降りてきたのは、なんと友達のサンドリヨン。シャルルは一瞬驚くけれど、そこまでは驚きません。
シャルル「ああ、サンドリヨン、君だったんだね、僕がダンスをしたのは」
サンドリヨン「はい。私です。もう王子さまにはお会いしないつもりでいたのですが……」
シャルル「何を言うんだ、サンドリヨン。今、気づいたんだ。いつのまにか君は僕の心の中にずっといたんだ。さあ、こっちへ。父上と母上に紹介しよう」。
シャルルによれば、サンドリヨンは、彼の心の中にずっといたらしい。嫁探しの舞踏会の頃は、いつもそばにいたサンドリヨンが、近くにいすぎたゆえに、彼女を愛していることに気づけなかった? そのわりには、毎回熱心に彼女のあとを追いかけていたけれど。
荷物を取りに実家へ
王様と后は、いつもの女中服を着ているサンドリヨンを見ても、まったく動じず、あたたかく彼女を迎えます。挨拶がすむと、いきなり結婚式の準備です。家来たちが大勢、反物をもって出てきて、2人に当てます。婚礼衣装を作るのです。
その後サンドリヨンは、いったん荷物を取りに実家に帰ります。荷物と言っても、彼女はたいして私物はないと思いますが、ボストンバッグや帽子入れが画面に出てきました。姉、ジャンヌが、「サンドリヨン、早く、お迎えの馬車が来たわよ」とせかします。
この時、サンドリヨンは、キッチンで、家事の引き継ぎノートを書いていました。カトリーヌやジャンヌに、食品の置いてある場所を伝えていると、継母の公爵夫人がやってきて言います。
和解と再会
継母「サンドリヨン、もういいのよ。そんなことしなくても」
サンドリヨン「え?」
姉2人「これからは、私たち、ちゃんと料理をするわ」
驚いているサンドリヨンに、継母は、髪飾りをかぶせます。結婚のお祝いに、自分とカトリーヌとジャンヌで、昨夜作ったと言うのです。
感激したサンドリーヌは、「ママン!」と言いながら、継母に抱きつきます。
いったい、何が継母を善人に変えたのか? 自分の娘を王子の后にしたいとあそこまで執念を燃やしていたのに。しかし、とにかく、ここで、継母とまま姉2人とサンドリヨンは和解します。
このタイミングで、ずっと出張中だった父親の公爵が突然帰宅し、一家は動物を含めて再会を喜びあいます。
その後、サンドリヨンは城に向かいます。
ザラール登場
結婚式当日になりました。国中の人々がお城に向かって歩いています。どうやら国民全員が披露宴に出席するようです。人々の行列の中に、ザラールとその一味もいます。ピエロの扮装をしているので、余興をする道化役者のグループということでしょうか。ものすごく目立っていますが。
ザラールの一味は、シャルルとアレックスにワインを持っていく女中をひっとらえて、悪者が女中の扮装をし、毒入りのワインを持参。それを飲んだシャルルは倒れてしまいます。この光景を、女中に化けた悪者はずっと鍵穴からのぞいており、シャルルが死んだことを確認します。
一方、式の支度ができたサンドリヨンは、いきなり一味に誘拐されます。
サンドリヨン「何するの、助けて! シャルル、シャルル!」
悪者たち「ふふふ、王子はもうあの世さ。お前もすぐに送ってやる」
サンドリヨン「え、シャルルが、シャルルが死んだっていうの? うそよ、そんなこと」
時計台での対決
悪者たちは、サンドリヨンを城の一番高い、時計のついたタワーまで連れていきます。結婚式は、城の屋上みたいなところでやる予定なので、ここからは、ゲスト全員を見渡すことができます。もちろん、ゲストからも、悪者につかまったサンドリヨンがしっかり見えます。かなり距離があると思いますが、はっきり見えるようです。
ザラールは、「サンドリヨンを助けてほしければ、城をあけわたせ」と王様を脅迫します。ハンスはシャルルを探しに行きますが、彼の部屋には王子もアレックスもおらず、ワインと割れたグラスが、床の上にころがっているだけ。
困りはてた王さまが、「う~む、止む終えない、エメラルド王国は、エメラルド王国は(おまえのものだ、と言うつもりだった)」、と話していると、突然、シャルルが時計台に現れ、「絶対誰にも渡さない」と王様の言葉を終わらせます。
シャルルは、いったいどこからやってきたのか? 全くもって謎ですが、とにかく、彼はヒーローのごとくあらわれ、ザラール一味と剣を交えます。
危機一髪
シャルルは強いので、ザラールの手下を次々とやっつけます。ザラールは、サンドリヨンをかついで、塔の一番高いところへ連れていきました。ここで、シャルルと一騎打ちです。
ザラールが、サンドリヨンを突き飛ばしたとき、彼女は、あやうく、塔から落ちそうになり、なんとか柱につかまりますが、宙吊りです。
シャルルはとても強いはずなのに、なぜか、ザラールに手こずります。床に転がったシャルルの息の根を止めようとしたザラール。しかし、「サンドリヨン!」と叫ぶシャルルを見て、ザラールは、先にサンドリヨンを殺すことにし、柱につかまって落ちそうになっているサンドリヨンに向かって、剣をあげます。
このとき、彼は、サンドリヨンの手か、体を切るつもりだったのでしょうが、剣は柱にがんと当たって、壁の一部がくずれ、その破片が彼の目に入ります。うーん、そういうこともあるのかなあ。
このとき、サンドリヨンも手がすべって、落ちそうになりますが、シャルルが、がしっと彼女の手をつかんだので、宙吊りではありますが、なんとか落ちずにすんでいます。このあたり、下から見ているとハラハラするでしょうね。
実はポーレットも式に来ていますが、サンドリヨンが死にそうになっても、この回では、まったく魔法をつかいません。シャルルが現れる前に、一瞬、使いそうになりましたが、シャルルがやってきたので、魔法の杖を振りませんでした。
壁の破片が目に入ったザラールは、「ああ、目が、目が…」とうめき、よろよろとし、あやまって、下に落ちてしまいます。
ようやく結婚式
ふと気づくと、サンドリヨンとシャルルは、無事に、塔の上に並んでいました。子供向けのアニメだからか、抱き合うとか、キスをするとかはありません。ただ、手を取ってよりそうだけ。
それを見て喜ぶ人々。その後、つつがなく結婚式が行われます。司祭や牧師が結婚式を執り行うのではなく、王様と后が、2人を結婚させます。
この国には、カソリックのお坊さんやらはいない様子です。
その後、2人は人々の祝福の中を、馬車に乗って、新婚旅行に出たところでジ・エンド。
ハッピーエンド
途中ハラハラする場面もあるけれど、なんとか2人は無事に婚礼をすませました。友達同士だったシャルルとサンドリヨンは、最終回で、いきなり結婚します。まあ、昔の婚礼ってそんなものだったのでしょう。
2人は、友人として、ずいぶん長い時間を過ごしているから、気心は知れているし、お互い好意をもっているから、幸せな結婚生活を送るでしょう。シャルルは人格者なので、国をうまく統治すると思われます。
結局、最後はザラールが自滅したのです。それまでは、彼のほうが優勢だったのですから。勧善懲悪ということでしょうか。
そうそう、なぜ、毒入りワインを飲んだはずのシャルルが生きていたのかは、シャルルがザラールに説明しています(回想シーンとして)。
実は、シャルルとアレックスは、ワインを持ってきた女中の靴が、ピエロの靴だと気づき、不審に思い、グラスに入ったワインを花瓶にあけてみたのです。すると、またたく間に花がしおれたので、これが毒入りワインだとわかりました。いったい、どんな毒なのかは、問わないことにしましょう。
その後、アレックスが、こっそり、毒の入っていないワインをグラスに入れ、シャルルはそれを飲んで、死んだふりをしたのです。
最終回を終えて
以前も書きましたが、シャルルが舞踏会で、サンドリヨンではない謎の美女(実際はサンドリヨンだけど)にメロメロになるのが、解せません。しかし、そうしないと、シャルル・ペロー原作の『シンデレラ』どおりに、魔法でドレスアップしたサンドリヨンが宮廷のパーティに行く⇒ガラスの靴を落とす⇒持ち主探し⇒持ち主が見つかり王子と結婚、という流れにならないので、こういう筋運びにしたのでしょうね。
本当は、シャルルは、もっと筋の通った人だと思いますが。
このアニメ、主役はサンドリヨンではなく、シャルルです。少なくとも、成長が描かれるのは彼のほうです。原作でもディズニーのアニメーション映画でも、シンデレラが結婚する王子は、まったくの添え物で、馬車になるかぼちゃより、重要でない役です。
その王子をここまでふくらませたのは秀逸だと思います。世間的にはまったく人気が出なかったようだし、もはやビンテージアニメですが、今からでももっと多くの人に見てほしい作品です。
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