シンデレラ ~魔法の木の実~(1973)の感想。

雪の中にいる鹿 シンデレラ

チェコの映画(実写)のシンデレラを見ましたので、感想を書きます。オリジナルのタイトルは、Tři oříšky pro Popelku(シェオリイスケプロポぺルク?)で、直訳すると、「シンデレラのための3つのナッツ」。Popelkuはチェコ語でシンデレラのことです。

英語版のタイトルは、Three Wishes for Cinderella(シンデレラのための3つの願い)、日本では、『シンデレラ・魔法の木の実』、または 『灰かぶり姫の3つの願い』 。

とてもよくできたシンデレラのりテリングです。まず予告編をごらんください。

シンデレラ・魔法の木の実の予告編

TŘI OŘÍŠKY PRO POPELKU – Václav Vorlíček, 1973, Trailer

鳩や豆が出てくるので、グリム童話系のシンデレラ、ということがわかります。シンデレラは、ハシバミの実(ヘーゼルナッツ)3つもらい、その実を使ってドレスを出します。

この映画は、童話を映像化したものとしては、チェコでもっとも有名とのこと。制作は、チェコと西ドイツなので、チェコをはじめ、ドイツやノルウエーでは、長らく、クリスマスやお正月に毎年放映されたシンデレラ作品だそうです。

ディズニーのアニメよりは、こちらのほうがずっと私の好みです。その魅力のいくつかを紹介します

シンデレラと王子が若い

シンデレラも王子も若いところが、私が持っているイメージに合っています。昔の王子さまは、結婚が早かったので、2人はティーンエイジャーであるべきです(役者の実年齢は別にして)。その意味では、先日見た、ディズニーの実写版の2人はちょっと年齢高めでした。

シンデレラ役の女優は、とてもチャーミングで、これまで見た実写の作品の中では、一番シンデレラらしいと思いました。王子も悪くありません。

お転婆なシンデレラ

シンデレラというと、受動的なヒロインをイメージする人が多いと思いますが、このシンデレラは、継母にこき使われてはいるものの、かなり活発です。

狩りをしている王子の帽子をめがけ、いきなり雪の玉を投げつけるし(しっかり帽子に命中する)、王子の荒馬をいとも簡単に乗りこなし、逃げ足は速く、高い木にするするのぼれ、狩りの腕前も、王子より上です。

しかもドレスを着るととても美しく、ダンスを優雅に踊ります。それに、ほかの使用人や動物にやさしいです(父が莫大な遺産を残し、継母がたくさん使用人をつかっています)。

以前は父親とよく馬乗りや狩りに行っていたので、乗馬も得意で、雪山で馬を走らせる美しい場面があります。

シンデレラは、舞踏会で、王子が、「あなたを花嫁にしたいから名前を教えて」と聞いても、舞い上がったりはしません。「なぞなぞを出すから、それに正解したら結婚してあげてもいいわよ」みたいなことを言います。

シンデレラのなぞなぞ

なぞなぞは

  • 顔は灰だらけだけど、煙突掃除じゃない
  • 羽つきの帽子をかぶって弓を持っているけど、狩人じゃない
  • 銀のふちかざりがついたドレスを着ているけど、王女じゃない

それはだ~れ? です。

実は、これがシンデレラの正体です。予告編で、狩りの場面が出てきますが、このとき、一応少年に変装しています。 狩人に化けるまえに、シンデレラは王子と一度森で会っていて(ここで雪の玉をぶつける)、そのときは、ふだんの灰まるけな姿でした。

舞踏会で、半ばプロポーズしているのに、わけのわからないなぞなぞを出されて、絶句している王子に、シンデレラは、「その答えがわかるまで、さ・よ・う・な・ら」と告げ、いきなりお城から走って逃げます。シンデレラなので、このとき靴を落とします。

王子の性格も描かれている

王子が2人の友だちと狩りをしたり、雪山でふざけあっているシーンがたくさんあります(必要以上にある気もします)。

この王子は、勉強は嫌いだし、将来王さまになる自覚はないし、結婚する気も全然ないし、興味があるのは、狩りと乗馬だけ。舞踏会でもシンデレラが来るまでは、思いっきり退屈な顔をしており、ダンスもいやいや踊っています。

このあたり、アニメの『シンデレラ物語』のシャルル王子(の最初の頃)と似ています。

シンデレラも、馬や狩りが大好きだから、王子と趣味が合っており、この2人はお似合いのカップルなのだ、と思えます。

王子はあまり賢そうに見えませんが、シンデレラを后に選んだのだから、明るい未来になりそうです。

童話な雰囲気

時代は中世なんでしょうか? 小道具が古い時代を感じさせて、感性は独特ですが、丁寧に作ってある印象です。

みな弓矢で狩りをしていますが、木でできた弓矢で、昔っぽいし、冬なので馬車に毛皮を敷いているし、継母と娘が舞踏会に行く前は、玄関の階段にじゅうたんを敷いています。昔はきっとこうだったんだろうな、と感じさせます。

「衣装が変だ」とレビューしている人もいますが、私は、かわいくて、童話らしいと感じました。舞踏会で踊る曲も、中世の音楽かどうかは知りませんが、それらしい雅やかな曲調です。

王さまと女王さまが、とても仲睦まじいのもよかったです。女王さまを演じた女優は、品のある美人で、まさに「女王さま」という感じでした。

音楽もきれいだし、シンデレラが好きな人にはおすすめの映画です。

チョコ語やドイツ語の学習にもぴったりでしょう。

アマゾンには、いろいろなDVDがありましたが、輸入盤を買うときは、発話と字幕の言語をよく確認してください。たぶん、チェコ語かドイツ語でしゃべっています。

コメント

  1. masausa より:

    わたしもこの作品が一番好きです。フランス映画だと思っていましたが、チェコとドイツの合作だったのですね。灰まるけの衣装さえも可愛く見えてしまうこの女優さんはまさにサンドリヨンですよね。衣装もセットも子供の頃に絵本で親しんだシンデレラ の世界を再現してくれているかのようです。というか…60〜70年代チェコ製の絵本を一番読んでいるだけですね。

    衣装は中世ゴシックをベースに1960年代のアレンジ(シャーベットトーン)がセンス良くかかっていて可愛いと思う。昭和30年代の資生堂の広告の雰囲気がしますね。

    • pen より:

      この映画は、全体的にとてもかわいいですね。私が好きなのは、馬に乗っているシーンです。
      あと、舞踏会で、顔にベールをかぶっているのも、ミステリアスで、いいですね。オリジナリティがあります。

      衣装は中世なんですね。継母の帽子が、ハチの栽培している人がかぶっている帽子みたいなので、そうなのかなあ、とは思っていました。

      私が持っていたシンデレラ(だと思う)の絵本は、こんなにかわいくなかったですよ。
      いまでいう劇画調のシンデレラで、なんか色っぽいシンデレラでした。
      もちろん、当時は、「色っぽい」なんて言葉は知りませんでしたが。

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