サンドリヨン/アシェンプテル(2010)の感想。

白い馬 ペロー童話

ドイツのテレビ映画、アシェンプテル(Aschenputtel または Assepoester)を、フランス語の吹替えで見ました。2010年の12月24日にドイツで公開された作品です。 この映画、大傑作とはいいませんが、まあまあ楽しいシンデレラでした。

フランス語のタイトルは、 Cendrillon です。まずDVDの予告編を紹介しますね。

サンドリヨン(2010)予告編

鳩が、ロッケテクー(?)とか言うだけで、セリフのない、あまりやる気の感じられない予告編です。これを見るとグリム童話のシンデレラが原作だとわかります。最初の15分ぐらいは、サンドリヨンが幼いときを描いていて、多少、ほかのシンデレラの映像作品と差別化しています。

明るいグリム童話のシンデレラ

グリム動画が原作のシンデレラとしては、やはりドイツのテレビ映画で、1989年の作品を見ていますが、そちらより、今作のほうが、エンターテイメント性が高いと思います。

1989年の映画もハッピーエンドですが、ちょっと暗い感じです。

今回見た映画は、サンドリヨン側の物語だけでなく、王子の物語もかなり語られています。

王子さまの都合

予告編には王子はほとんど出てこないし(最後の火事のシーンだけ)、DVDの写真にも王子は出ていないようですが、この映画では、王子もかなりフィーチャーされています。

オープニンタイトルでは、王子役の俳優の名前は、サンドリヨン役の女優と一緒に名前が出てきます。

この映画には、お笑い担当として、王子の摂政をつとめるアルフォンス王子という、王子のおじさんが出てきます。王さまはずっと前に亡くなっているらしいのです(王女さまもいません)。

アルフォンスは「王子」というタイトルですが、かなりお年を召した方です。この人は、魚が大好きで、政治はそっちのけで、魚のえさに大金を使い、魚の世話ばかりしています。

今は亡き王さまは、もし王子が21歳までに結婚しなかったら、そのときは、アルフォンスが王を決めてよい、という不思議な遺言を残しています。アルフォンスは、タイムリミットまでに王子の結婚相手が決まらなかったら、自分のお気に入りの鯉を王さまにする、と本気で言っています。

そんなわけで、もうすぐ21歳になる王子は、さっさと結婚しなければなりませんが、自分の属性に愛情を示す人ではなく、自分自身を愛してくれる人と結婚することを望んでいます。王子は結婚相手を見つけるために、仮面舞踏会を開くことにします。

サンドリヨンと王子の恋

私がこの映画を好きなのは、王子とサンドリヨンの恋がそれなりに描かれているからです。

サンドリヨンと王子は舞踏会の前に1回だけで会っています。サンドリヨンはそのとき、王子に一目惚れをし、王子も、灰だらけのサンドリヨンのことを憎からず思います。

ただし、この時は、王子は従僕の服装をしていたので、サンドリヨンは、王子としてではなく、従僕の王子、つまり、王子というタイトルのない王子を好きになったのです。

サンドリヨンが舞踏会に行きたいと思ったのは、自分が恋した従僕に会うためであり、王子の后になりたいとは思っていませんでした。

初回の舞踏会は、仮面舞踏会でしたが、サンドリヨンは、従僕の王子と、とても親しく言葉を交わしながら踊ります。(2人とも、ブルーの羽がアクセントの服装でばっちりカラーコーディネートしています)。

その後、従僕の格好をしていたのは実は王子だったとサンドリヨンは知りましたが、従僕だろうと、王子だろうと、その人自身を好きになったので、2回め、3回目の舞踏会でも、王子と親しく言葉を交わします。

ただし、自分のことを良家の娘だと思っている王子に、サンドリヨンはなかなか本当の素性を言えないでいます。

王子役の俳優とサンドリヨン役の女優は、ケミストリーが感じられ、とてもほほえましいカップルです。

その他の見どころ

シンデレラの話を盛り上げるためには、継母の意地悪度が重要ですが、この映画の継母も相当意地悪でいい味を出しています。

映画の終盤、サンドリヨンが王子の后に決まったあと、ピエール伯爵に手渡されたバケツを、継母は、思いっきり地面に叩きつけ、それだけでは足りず、となりにいた娘(まま姉)の頭をはたきます。

なぜバケツが出てくるのかというと、家が火事になったので、皆でバケツリレーをして、水をまいていたからです。

サンドリヨンのお父さんも継母に尻にしかれっぱなしで、かなり、なさけない人です。

舞踏会が3回開かれますが、初回は仮面舞踏会、2回めは月食を見るための庭園での舞踏会、3回目は王子の誕生日パーティーと、それぞれ、趣向が違うのも楽しめます。

サンドリヨンは3回とも違うドレスを着て、白馬に乗ってお城にかけつけます。この馬は、サンドリヨンの友達のネズミが魔法で馬になったものです。

よくよく考えると、つっこみどころはあるし、BGMの流れているシーンが多く、うるさすぎるという問題はあるにしろ、クリスマスイブに家族で見るのにふさわしい、楽しいシンデレラ作品と言えましょう。

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