シンデレラ(グリム童話)のあらすじ(4、終)

おひめさま グリム童話

グリム童話のシンデレラ、あらすじ最終回です。

シンデレラをなかなか呼びに行かない両親

「この人も違いました。ほかに娘さんはいませんか?」。王子さまの質問に、父親は、「いません。前妻の子で、みにくいシンデレラという娘はおりますが、とうてい花嫁になる娘とは思えません」、こう答えました。

王子さまはシンデレラを呼ぶように言いましたが、継母は、「とんでもない。すごく汚いんですよ。とてもお見せできません」と答えました。

しかし王子さまがどうしてもと言いので、シンデレラが呼ばれました。シンデレラはまず手と顔を洗ってから、王子さまにお辞儀をしました。

黄金の靴はシンデレラの足にぴったりだった

シンデレラが椅子に座って木靴を脱ぎ、黄金の靴に足をすべりこませると、それはぴったり合いました。

シンデレラが立ち上がると、王子さまは、彼女が一緒に踊った美しい娘だとわかり、「この人こそ私の花嫁です」と宣言しました。

継母とまま姉はぎょっとし、怒りで顔が青ざめました。王子さまは、シンデレラを馬にのせ、走り出しました。ハシバミの木の横を通ると、2匹の鳩が、「靴に血がついていない。靴はぴったりだ。この花嫁こそ本物だ」とさえずりました。

その後、鳩は、それぞれ、シンデレラの両肩に止まりました。

失明してしまうまま姉

2人の結婚式に、まま姉2人が、シンデレラのご機嫌をとり、幸運を分けてもらおうとやってきました。新郎新婦が教会に入ろうとしたとき、上の姉はカップルの右側を、下の姉は左側を歩きました。

すると、鳩たちが姉たちの片目をつつきました。

カップルが教会から出てくるとき、上の姉はカップルの左側を、下の姉は右側を歩きました。すると、鳩たちは姉たちのもう片方の目をつつきました。

こうして、意地悪で、うそつきの姉たちは、そのむくいを受けて、一生、盲目で暮らすことになったのです。

[終わり]

☆もとの童話はこちらを参照しています⇒ ⇒ Grimm 021: Cinderella

なぜグリムのシンデレラは残酷なのか?

姉たちは、つま先やかかとを切り落とし、血まみれの足を無理やり靴に押し込む。最後には、鳩に目をつつかれて失明する。

グリムのシンデレラはペロー版のシンデレラより残酷です。というのも、グリム童話は最初は、大人の、童話を研究している人むけに編まれたからです。よって、伝承話に忠実なのです。

グリム兄弟は2人とも学者です。兄のヤーコプは言語学者・文献学者でドイツ語の辞典や文法書を書き、ドイツ語の子音の研究もしています。

弟のヴィルヘルムも学者ではありますが、フィクションの著書もあります。グリム童話は7回改定されていますが、2回めの改定からは、ほぼヴィルヘルムが書いています。

おとぎ話は、もともと残酷で、性的表現がたくさんあったのです。

グリム童話は、次第に子供が読むものになっていったので、性的表現は控えめになっていきましたが、残酷な描写は残されました。

これは、子供を戒めるためだったと思われます。シンデレラのまま姉たちは、シンデレラをいじめたので、相応のむくいを受けるのです。

ペロー版のシンデレラが、そこまで残酷でないのは、読者が宮廷の童話サロンの人たち(貴族)であったこと、ペロー自身が、美しさにこだわる人だったこと、宮廷文化が反映された話だったこと、こんな理由からだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました