第13話 La fugue d’Isabelle (イザベルの失踪)

旅行かばん エピソード

タツノコプロのアニメ、『シンデレラ物語』第13話のあらすじです。

家出するイザベル

シャルル王子が自分につれないので、頭に来たイザベル(ザラール公爵の一人娘)は、王子を心配させるために家出をすることを思いつきます。

書き置きを残して姿を消したイザベルの行方を、シャルルを含め、城中で捜索します。

イザベルは、街でバッグを置き引きされ、偶然、サンドリヨンと出会います。そして、なんと2人とも誘拐されてしまうのです。

以下はもう少し詳しい内容です。

ストレスマックスのイザベル

城の一室にバラを飾り、シャルルを待つイザベル。しかし、シャルルは国王とお話中とかで、なかなかあらわれません。イザベルはストレスやイライラを女中にぶちまけますが、大きな花瓶が倒れたり、紅茶を頭からあびたりしただけ。

青いドレスに着替えたイザベルが、廊下を歩いていると、向こうからシャルルとアレックスが歩いてきます。

しかし、シャルルはイザベルを見ると逃げ出します。

彼の気を引くためイザベルは家出をします。

街でサンドリヨンと出会う

いつのまにか夜になり、街の噴水の前まで来たイザベルは、「今ごろ、お城では大騒ぎね。ふん、いい気味だわ」と思っていたのですが、りんごを買っているあいだに、バッグを取られてしまいます。

「泥棒~~~! つかまえて~~~!」と叫ぶイザベル。たまたま姉にたのまれた買い物をすませて、店から出てきたサンドリヨンは、その現場に居合わせます。

2人が言葉をかわしている間に、今度は2人とも、いかつい男に誘拐されます。

女中仕事をさせられる2人

2人を誘拐したのはカルロスという貧しい男。彼には息子がいて、実はこの息子がイザベルのバッグを盗んでいました。

イザベルは、「私を誰だと思っているの! ザラール公爵の娘で、シャルル王子の婚約者よ! ということは、そのうちあなたたちの女王になるのよ!」と叫びましたが、カルロスも息子も、意に介しません。

カルロスは、イザベルに掃除を、サンドリヨンに炊事をするよう命じます。

お嬢様育ちのイザベルは何ひとつまともにすることができず、掃除をするはずが、かえって部屋の中がむちゃくちゃになります。

一方、サンドリヨンは、家の裏にあるらしい運河(?)で、にんじんを洗っているとき、カルロスの息子とちょっと仲良くなります。2人とも、早くに母親を亡くしたという共通点がありました。

サンドリヨンが用意したおいしいごちそうを、カルロス親子は喜んで食べます。

シャルルが助けにくる

ザラール公爵やアレックスは、公爵の別荘にイザベルを探しにいきましたが、見つかりません。

シャルルは、通りがかった人の家の物干し竿にかかっていた服を拝借して、平民のふんそうで、噴水まで来ると、ベルース(サンドリヨンの犬)が、イザベルの帽子をくわえているところに出くわします。

ベルースにイザベルの居場所を教えてもらい、シャルルが、カルロスの家に踏み込むと、カルロスと息子は、サンドリヨンとイザベルをボートに乗せて、逃げたあとでした。

シャルルはあとを追いかけ、カルロスの荷車に飛び乗ると、格闘して、カルロス親子を運河に落とし、2人を無事助けます。

イザベルと友だちになるサンドリヨン

この回で、これまで接点のなかったイザベルとサンドリヨンが友だちになります。何ひとつ家事がまともにできず、しょげて体操座りをしているイザベルのとなりで、サンドリヨンはスープを作ります。

イザベル:「なんであんなやつらの言うことを聞くの?」

サンドリヨン:「私、いつも家で炊事してるから慣れてるの。そんなにむずかしくないわよ。私、料理って好きだわ。満足感があるもの」。

こんな会話から始まって、イザベルは、自分は王子の婚約者だとうそをついたことや、王子にまったく相手にされていないことをサンドリヨンに打ち明けます。

サンドリヨンは、自分も王子にあこがれている身ではありますが、「ずっと思い続けていれば、いつか気持ちが通じるわ」とイザベルをなぐさめます。

また一段階仲良くなるシャルルとサンドリヨン

シャルルに助け出したもらったあと、イザベルは、「こんなはずじゃなかった。王子さまが助けにくるはずだったのよ。どこの馬の骨ともわからないシャルルじゃなくて」とぐちをこぼします。

それに対して、サンドリヨンは、「そんなこと言うべきじゃないわ! 命をかけて他の人を助けてくれる人は、王子さまより勇気がある人よ。貧しくても心は気高くいられるのよ」とかなりきつい調子でイザベルをたしなめます。

これを聞いて、感動しているシャルルに、サンドリヨンはかごに入っていたバラを1本差し出します。「どうぞ、私の王子さま。これは感謝の気持ちです」と言って。

「ありがとう」と言ってバラを受け取ったシャルルは、サンドリヨンと見つめ合いながら、お互い声をあげて笑います。これまで、サンドリヨンは、自分の気持ちや意見をはっきり言ったことがないので、ここは見せ所です。

今回のつっこみどころ

名場面もあるエピソードですが、つっこみどころもあります。イザベルが、シャルルが王子だと気づかないのは毎回のお約束ですし、あまりにも都合よく、人々が出会うのもまあいいとします。

謎なのは、サンドリヨンのかごの中に入っていたバラです。

サンドリヨンは姉のジャンヌに言われて封筒と便箋を買いに行き、店から出たところでイザベルのバッグをもって逃げる少年と鉢合わせになり、封筒も便箋も全部、道に落としました。このときバラは持っていません。

それなのに、カルロスの家で食事の支度をしているとき、いつのまにかかごの中にバラがあり、サンドリヨンはこのかごを食卓の中央に置いて、飾りとして使っています。

最後にシャルルにあげるバラもこの中の1本です。このバラはいったいどこから来たのか? カルロスの台所にあったのでしょうか? 

もう1つ、謎なのは、ナイフ投げが得意だというカルロスと息子は、ナイフの刃のほうを持って、投げるのです。刃の部分を投げるなら、何のために柄がついているのか?(明らかに柄をもってなげているシーンも1つだけあります)。

以前、サーカスの玉乗りのマリーも、ナイフの刃のほうを持ってジャグリングしていました。これは、そうほうがアニメーションを作りやすいといった事情があるのでしょうか?

この回は、絵柄が劇画調というか、いつもより濃い感じでした。

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