Little Red (2012)の感想。

森 グリム童話

赤ずきん』の背景を現代にしたリテリングの映画、Little Red を見ました。低予算のインディー映画なので、日本ではDVDも出ていないと思います。2010年代の映画というより、70年代っぽい雰囲気がありますが、まあまあおもしろかったです。

Little Red、予告編(2分24秒)

Little Red (trailer) – Accent Films

作品情報

  • 監督、プロデュース:  Tate Bunker
  • 主演: Hannah Obst (レッド、赤ずきん)、 Mark Metcalf (ルー、オオカミにあたる役)、Paige Bunker(ケーラ、レッドと友達になる女の子)
  • 公開:2012年9月30日(アメリカにて)
  • いくつかのフィルムフェスティバルで賞をとっている作品

あらすじ

アメリカの中西部に住むレッド(これはあだ名で本当の名前はルース)は11歳。両親が手配した、ガールスカウトのウィンターキャンプに行きたくないレッドは、姉をだまして、1人でフロリダに向かう。

フロリダのビーチで泳ぎ、波乗りをし、カンバーランドアイランドで野生の馬を見たいからだ。レッドは、飛行場で話しかけられた老婆に、自分はおばあさんに会いに行く、一緒にカンバーランドに行くのだ、と言う。

ここで、一人の中年の男が、レッドに目をつける。彼は、レッドぐらいの年頃の女の子に欲情するタイプだ。

フロリダについたとき、この中年男はレッドで声をかけ、ビーチにいるレッドにも話しかける。「きみ、モデルにならないか? 私はカメラマンなんだ」という、いかにも嘘くさい話をして。

この後レッドはお金を盗られたり、リュックを盗まれたり(ルーが取った)し、一文無しになるが、ビーチで出会った少女、サーファーのケーラ(16歳ぐらい)が、自分の家に泊めてくれ、一緒にカンバーランドまで行くと言う。

オオカミ役の男性がおぞましい

中年男性を演じた俳優、マーク・メトカーフは、悪者や化け物などをよく演じている役者です。彼は、演技がうまいのでしょう。レッドをしつこくつけまわし、話しかけますが、身の毛がよだつほど気持ち悪いです。

フリーウエイ』で、シリアルキラー役のキーファー・サザーランドが、車の中で赤ずきん役のヴァネッサに、話しかけているときも、「この男、気持ちわる!」と思ったのですが、今思うと、キーファー・サザーランドは育ちがいいせいか、上品なところでとどまっていました。

マーク・メトカーフは目つきから口元から、すべてがおぞましく、「こんな役、よくやるなあ。役者魂やな」と思うほど。彼が出てくると、ホラー映画のような緊張感が走ります。

レッドを演じた少女は、映画初出演で、地元の劇団に入っていたものの、ほとんど素人なので、そんなに演技はうまくありませんが、不安で緊張している様子が、そのまま役柄に投影され、いい感じです。

やりたいことをやるレッド

すでに長く生きている私は、レッドを見ると、両親の気持ちになり、「なんて人騒がせな娘なんだ、親は死ぬほど心配しているぞ」と思いますが、行きたいところ、やりたいことに向かって突き進むレッドは、私にはない強さがあります。

海岸や公衆トイレで一人でキャンプをするし(テントはない)、はじめてする波乗りに、何度も失敗してかなり無様なのに、サーファー(プロではなく、ふだんこのビーチでよく遊んでいる不良っぽい人たち)の目も、全然気にしません。

ひと目を気にするということがいっさいないのです。こういうふうに生きられたら、人生楽しいでしょうね。

友達思いのケーラ

レッドを助けるケーラは、 ルーが危険だということをいち早く見抜き、彼に説得されそうなレッドを助けます。

実はケーラはレッドがサーフィンもどきをしているとき、レッドの赤い巾着からお金を盗みますが(むき出しで札束を入れておくレッドが悪いと思うけど)、レッドが一文無しになり、2人で資金集めをするとき、盗んだお金を寄付金の中に混ぜます。

ケーラの父親は、アルコール依存症らしく、いつも飲んだくれてソファーに寝っ転がっているだけけ。お母さんはいないようです。ケーラは店で万引をしたりもしますが、友達思いのいい子です。

無事に家に帰るレッド

レッドとケーラは、ルーをまいて、フェリーに乗り、無事カンバーランドアイランドに行きます。キャンプをして、レッドは念願の野生の馬を見ることができます。

フェリーで戻ってきたら、レッドの父親がむかえに来ていました(レッドは、フェリーに乗る前に、父親に電話をしている)。

『赤ずきん』らしさを出すなら、レッドはルーに襲われるべきなので、このエンディングが気に入らない人もいるかもしれません。

しかし、私は、レッドが、無事に父親のもとに戻って本当に安心しました。それほど、ルーは、気持ちが悪かったので、たとえ赤ずきんでも、こんな男の餌食になってほしくありません。

雄大な海岸や自然公園の映像も、きれいすぎず、ふつうっぽくて、かえってそれがよかったです。予算がなかったせいか、おばあさんや猟師は出てきません。

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