タツノコプロのアニメ『シンデレラ物語』第14話のあらすじです。
シャルル王子の秘密
イザベルが、ソファに寝転がって、たくさんの男性から届いたラブレターを読んでいます。「シャルル王子のことは好きだけど、家出したとき助けに来てくださらなかったし、ほかの殿方とおつきあいするのもいいかもね」とうそぶくイザベルに、父親のザラール公爵は激怒します。
「おまえの相手は王子以外いない!」「私はお父様のあやつり人形じゃなくってよ!」
ザラールは王子の秘密を握り、王子にプレッシャーをかけ、2人を結婚させるために、カトリーヌとジャンヌを王子の部屋つきのメイドにすることを思いつきます。
メイドというのは名目で、王子の挙動を2人に監視させるつもりです。かくして、カトリーヌとジャンヌ、そしてサンドリヨンは、3人でお城にあがります。
以下にもう少し詳しく内容を書きます。
カトリーヌとジャンヌが選ばれたわけ
王子の監視役として、良家の娘をつかう、という計画がそもそもむちゃくちゃですが、監視役にカトリーヌとジャンヌを選ぶのはさらにめちゃくちゃです。
この2人は頭が悪すぎるし、忠誠心も、仕事に対する倫理観もありません。
なぜ、この2人とサンドリヨンが抜擢されたのかというと、たまたまザラールの家からもっとも近くに住んでいたからです(そう、ザラールは言う)。
そんな大事な役目をになう人間をそんなに適当に選んでいいのでしょうか?
サンドリヨンもお城に出向く
お城にあがって王子さまのお世話をすることを命じられたカトリーヌとジャンヌは、大喜びです。 2人とも 「王子さまとお近づきになり、見初められるわ」と思っています。
2人は、当日とてもきれいに装って迎えの馬車を待ちます。そこへ、サンドリヨンもいつもの女中服の装いで、バスケットをもってあらわれます。姉たちは激怒します。
「どうして、サンドリヨンも行くの? サンドリヨンなんて連れて行ったら、お城の皆に笑われるわ」。
母の公爵夫人は、「私だって、サンドリヨンは行かせたくなかったけど、ザラールさまが、サンドリヨンも一緒にとおっしゃったのよ。
ゴリ押ししてすべての話がおじゃんになっても困るし。でもサンドリヨンはあれで使いみちがあるわよ。あなたたちの引き立て役になるわ」と言います。単純な姉2人は「そうね。ふふふ」と納得し、3人でお城に向かいます。
へとへとになるカトリーヌとジャンヌ
お城に行くと、表玄関ではなく、裏の勝手口から入るように言われます。3人を出迎えたのは、こわそうな女中頭でした。カトリーヌとジャンヌは、女中の服に着替えさせられ、3人はだだっぴろい廊下とやたら長い階段の掃除を命じられます。
ふだん働いていない姉2人はくたくたです。しかも、食事はコッペパン1つだけ。
体中筋肉痛でへとへとの2人は、「なんでこんな目にあうのかしら。あの人、あれしろ、これしろってめちゃめちゃ人使いがあらいわ」と文句を言い合いますが、そのうち、「これはお后になるテストだ」、ということで2人の意見が一致します。
サンドリヨンに仕事を押しつける2人
翌日の午前中の仕事は縫い物です。お昼までに仕上げるように言われます。姉2人は、サンドリヨンに自分の縫い物を押し付けて、王子さまを探しに行きます。
一方、女中頭に、同僚の女中が言います。「あの子たち、ザラールさまは、王子さまのお部屋付きにしろとおっしゃっていたのでは?」「だめだめ、あんなのにとても王子さまのお世話なんてできないわよ。サンドリヨンって娘は有望だけどね」。
廊下をふらふらしているうちに、姉2人は王子とアレックスが、ある部屋に入っていくのを目撃します。
「王子さまだわ!」
王子の入った部屋のドアに、うっとりと体をすりよせ妄想する2人。
「ああ、この部屋に王子さまがいらっしゃるのね。いったい何をなさっているのかしら」。「ビオールの演奏かしら、それとも詩を書いていらっしゃるのかしら?」
街に出ていくシャルル王子
部屋の中では、シャルルが、アレックスにベストを借り、街へ出ていこうとしていました。「きのうたまたま街で食べたパンがおいしかったから、もう一度食べたいんだ」と言って。
城から出ていこうとするシャルルを、別の部屋で、縫い物を仕上げ、窓辺に立っていたサンドリヨンが目撃します。
「あら、王子さまだわ。1人でどこにお出かけなのかしら?」
サンドリヨンはそのままシャルルのあとをつけます。
うそつきシャルルに出会うサンドリヨン
ベストを持って、王子服のまま街に向かったシャルルの姿を、サンドリヨンは途中で見失います。
あたりをきょろきょろ探すサンドリヨンの肩を、「ボンジュール」と言いながら後ろから叩く人がいます。
ふりむくと嘘つきシャルルが立っていました。
「あら、シャルル、ボンジュール」
「こんなところで、何してるの? 僕のこと探してるとか?」
「違うわ。王子さまを探しているのよ。お城からずっとつけてきたの。王子さま、たしかにここまで来たと思ったんだけど…」
「ってことは、嘘つきシャルルの相手をしているひまなんてないってわけか」
「あら、もちろん、そんなことないわ。でも、気をつけてね。私、あなたのことも偵察するかもよ」。
ザラールの計画に気づくシャルル
その後、2人は肩を並べて街を歩きます。お気に入りのパンを食べながら、シャルルはサンドリヨンたちが、ザラールに言われて、お城に行ったことを知ります。
「掃除や片付けをして、そのうち、王子さまの身の回りのお世話もすることになっているの」。
この言葉に、人一倍勘がいいシャルルはすべてを見抜きます。
「ザラールのやつ、サンドリヨンたちを使って、僕のことを監視するつもりなんだな」。
先祖伝来のかわいい彫像
お城では、できあがった縫い物を手にして、女中頭が、姉2人を問い詰めています。
「見れば見るほど、すべて、1人の人間が縫ったものだわ。あんたたち、サンドリヨンに自分の仕事を押し付けたんだね!?」
最初はしらを切っていた2人ですが、「はい、そうです…」と白状します。
罰として、姉2人は、廊下の雑巾がけを命じられました。文句を言いながら、雑巾がけしていた2人のお尻がぶつかって、ケンカになります。
「何よ、ちょっと、私がここふいていんのよ。あんた向こうへ行ってよ!」
つかみあいのケンカになり、2人は、廊下にあった台にぶつかり、はずみで上に置いてあった彫像が落ちて割れてしまいます。
暇を出される3人
シャルルは大事な彫像を割ったことを理由に、カトリーヌたち3人を解雇します。もちろん、これは、ザラールの計画を阻止するための行動です。
今後、勝手に自分の部屋付きのメイドを雇うなと、シャルルはザラールに釘を差します。
「なんの関係もない娘たちをつかって、僕を監視させようするなんて、言語道断だ」と怒りにかられるシャルル。
一方ザラールは、「ふん、あんな置物なんて、誰も見ていなかったじゃないか。さては、王子、私の計画に気づきおったな?」とうそぶきます。
家に帰って、たまった食器を洗おうとするサンドリヨンのところに、姉2人がやってきます。「サンドリヨン、きょうは、私たちがやるからいいわ。あなた、庭でベルースと遊んでなさい」。
姉たちは、今度また、お城で試験があったときのために、突然家事をする気になったのです。
おバカな姉2人がおもしろい
カトリーヌとジャンヌの出番が多く、馬鹿で、身勝手な2人の行動が笑えます。
とくにおもしろいのは、「あの女中、あれしろ、これしろって人使いがあらすぎるわ」とカトリーヌが文句を言うところ。
なぜなら、それこそ、ふだんカトリーヌがサンドリヨンに対してやっていることだからです。このエピソードの冒頭でも、サンドリヨンに、「洗濯する前に、私のスカートのすそをまつれ」と、きつく命令しています。
2人が王子さまの部屋のドアにへなへなとしなだれかかって、妄想するところや、うっかり彫像を割ってしまうところも笑えます。
つっこみどころ
相変わらず、つっこみどころも多く、特に不思議なのが、ザラールがシャルルの秘密を握ろうとあせっているところです。ザラールは、第12話で、シャルルがこっそり街に出かけていることを国王にばらすぞ、とシャルルを脅していました。
シャルル王子の秘密と言えば、この、お忍びで街に出かけていることしかないと思うのですが。
つまり、ザラールはすでに、王子の秘密を握っているはずですが、まだ何か秘密を知りたいのでしょうか?
ほかにも、なぜ、シャルルは、城で平民の服に着替えてから、街に行かないのか? ベストはアレックスから借りたけど、下にはく膝丈ズボンはどこから出したのか? どうしてシャルルは簡単にサンドリヨンにつけられてしまったのか? (王子に警戒心がなさすぎるのか、サンドリヨンの尾行がうますぎるのか?) サンドリヨンは2階(?)から、王子が城を出ていくところを見て、追いかけたが、あんな広い城から、迷わずに、すばやく出ることがなぜできたのか?
シャルルはいったいどこで着替えたのか? 王子服はどこに隠したのか? なぜ、娘3人が城に行って、公爵夫人1人だったのに、あんなに洗い物がたまっていたのか? といった疑問もあります。
サンドリヨンがいない間、公爵夫人は自分の食事を自分で作って、お皿はまったく洗わなかった可能性もありますが、それなら、鍋や、包丁などのツール類の汚れ物もあるはずです。
こんなふうにいろいろ疑問はあれど、おもしろいエピソードです。
このエピソードから、ジャンヌ、カトリーヌ、サンドリヨンは3人とも王子の顔を知っていることがわかります。また、ザラールは、ビエル公爵には娘が3人いることを知っていたこともわかります。
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