シンデレラ / The Slipper and the Rose (1976)の感想。

宮殿の中 ペロー童話

1976年の実写版シンデレラを見ました。イギリス映画でミュージカルです。タイトルは、 The Slipper and the Rose (靴とバラ)副題:The Story of Cinderella (シンデレラの物語)。邦題は「シンデレラ」のようです。

143分と長いのですが、1950年のディズニー・アニメよりずっと見応えがありました。

シンデレラ(1976)基本情報

公開:1976年3月24日
監督:ブライアン・フォーブス(Bryan Forbes)
音楽:シャーマン兄弟(Robert B. Sherman, Richard M. Sharman)、アンジェラ・モーリー(Angela Morley)
脚本:監督とシャーマン兄弟
主演:リチャード・チェンバレン(Richard Chamberian)
ジェマ・クレーヴン(Gemma Craven)
脇を固めている人もイギリスの有名な役者で、勲章をもらっている人も複数います。
クレジットはありませんが、原作はシャルル・ベローです。

予告編です。4分12秒。

The Slipper and the Rose

見どころ:ペローの世界観あり

全体的に丁寧に作ってあり、ペローの世界観がよく出ていると思います。悪くいえば古めかしいです。

本物のお城でロケしている

派手なシンデレラやコスチューム劇になじんでいる人は、予告編を見ると地味だと思うかもしれません。しかし、オーストリアのアニフ城を中心に、複数のイギリスのお城でロケをしていて本格的です。

タイトルバックの一部。私にはろくに読めないフォント。

結婚式のシーンに使われている教会も本物の教会です。古いお城や教会好きにアピールしそうな映画です。

豪華な衣装

私、衣装を見て、時代を特定できませんが、ペローの時代の宮廷の人が着ていた感じの衣装がたっぷり出てきます。全部で300着用意されたそうです。

昔っぽい踊りと現代風のダンス

シャルル・ペローの時代は、のちの社交ダンスより、フォークダンスに近いおっとりした踊りを踊っていたと思うのですが、舞踏会のシーンでは、そういうおっとり優美な踊りをしています。

この映画はミュージカルなので、ほかのシーンでは、召使いたちが現代風のアクラバティックなダンスをしていたり、王さまや貴族たちが図書館で机にのってステップを踏んだりしていて、バラエティにとんだ踊りを楽しめます。

シンデレラが舞踏会に行く前のシーンでは、ネズミ(ネズミの頭をかぶった人間)が踊っていて、幻想的でした。

もちろんシャーマン兄弟(メアリー・ポピンズの歌なので有名な兄弟)の歌も聴き応えがあります。

原作のシンデレラと違うところ

話の内容は、ふつうのシンデレラとほぼ同じですが、シンデレラだけでなく、王子さま、王さま、フェアリーゴッドマザーもたくさんセリフがあり、話に奥行きがあります。

たぶん、主役は王子さまのリチャード・チェンバレンです(オープニングで一番最初に名前が出てきます)。シンデレラより、彼のほうが、出番は多いです。

この王子は王さまからどこかのプリンセスと結婚するようプレッシャーをかけられていますが、好きな人と結婚したいと思っています。「農民や召使いでも自由に恋愛できるのに、なぜ、僕はだめなんだ、ああ、王子の自分と、自由にふるまえる自分の2人いたらいいのに」と歌います。

この映画が原作と大きく違うのは、王子さまが、シンデレラがガラスの靴の持ち主だと知り、彼女を強く抱きしめた段階で、まだ残りが50分近くあることです。

「この先、何があるんだろう?」と思いましたところ、王子さまはシンデレラを城につれていくものの、王さまの差し金で、シンデレラは遠くに追放されてしまうのです。無理やり島流しにあうのではなく、式部卿(だと思う)に、「あなたが王子と結婚すると、この国は戦争になるから、平和のために身をひいてはくれまいか?」と言われたシンデレラが、泣く泣く身を引きます。

ここは弱小王国なので、王子さまは政略結婚をしなければならないのです。シンデレラを家に返しただけでは、すぐにまた王子さまが連れ戻しに来るから、ちょっとやそっとでは見つからない場所に追放されます。

身を引く時、シンデレラは、王子さまが、自分に未練を残さないように、「王子さまに伝えてください。私にはほかに恋人がたくさんいたとか、本当は好きでもなんでもなかったとか、冷たい女だとか、なんと言ってくださってもいいのです。でも、私が王子さまを愛しているから、お別れするとだけは言わないでください」と歌います。ここ、ぐっときます。

女優さんがシンデレラ役にぴったり

シンデレラを演じている ジェマ・クレーヴンという人は、アイルランドの女優で、イギリスでは全く無名だったのをこの映画で抜擢されたそうです。

かわいくて、充分きれいな人ですが、どちらかというと庶民的な感じがします。それでも、イノセントなシンデレラにぴったり合っていて、王子が舞踏会で一目惚れするのもわかります(実際は、一度、王子が外出したとき、窓越しにちらっとシンデレラを見かけています)。

このシンデレラはずっと受け身ですが、身を引く時に、はじめて、意志のあるところを見せます。シンデレラが身を引いたあと、王さまは、「(プリンセスではない彼女が)プリンセスらしく行動してくれた」とひとりごちます。

王子役のリチャード・チェンバレンは、年のわりには、はつらつとした感じをうまく出していました。踊りもうまいです。

きれいなシーンが多く、見どころがたくさんあるため、何回か見ても楽しめると思います(シンデレラの話を受け付ける人ならば)。

私はストリーミングで見たので、DVDを買って、もっとじっくり見ようかと考えています。字幕なしで見たので、細かい情報を聞き落としていますから。ミュージカルなので、大きな画面で見たほうがいいでしょう。

アマゾンのレビューを見ると、絶賛している人が多いですね。確かに、いい映画です。DVDを入手したら、もう少し詳しくレビューしようと思っています。

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