不思議の国のアリス(ルイス・キャロル著、1865)の感想。

不思議の国のアリス その他の物語

イギリスの有名な児童文学、Alice’s Adventures in Wonderland(Lewis Carroll)を読みました。

アリス、基本情報

  • 著者:ルイス・キャロル(Lewis Carroll)
  • イラスト:ジョン・テニエル
  • 出版日:1865年11月26日
  • 出版社:マクミラン
  • ジャンル:ファンタジー、言葉遊びが多いかなり突飛な物語。
  • 105ページ、2万9000文字。
  • 続編:Through the Looking-Glass, and What Alice Found There (鏡の国のアリス)
  • ルイス・キャロルの本職はオックスフォード大学の数学の教授
  • ビクトリア時代のイギリスで出版された物語で、今も多くの人に愛されている本です。 数々のアートにインスピレーションを与えています。アリスと言えば、この、『不思議の国のアリス』を想像する人が多いでしょう。

簡単なあらすじ

1行サマリー:7歳ぐらいのアリスが夏の日、川べりで昼寝していたときに見た、不思議な世界に迷いこんで冒険する夢の内容をつづった小説。

ある夏の午後、川べりで読書をしている姉のそばで、アリスは退屈で、ぼーっとしていた。すると目の前を、服を着て、懐中時計をもった白いウサギが走っていく。ウサギは時計を見ながら、「大変だ、遅刻しちゃう!」とひどく焦っている。

時計を持っている着衣のウサギを見たのは初めてだったので、アリスは興味をひかれウサギのあとを追って、ウサギの穴に入って時間をかけて下に落ちる。

落ちた先は細長くてうす暗い広間で、まわりに小さな扉がたくさんあったが、みな鍵がかかっていた。

アリスはガラスのテーブルの上に小さな金の鍵を見つけ、その鍵で扉を開けようとしたが、どの扉も鍵が合わない。

2回目に試したとき、カーテンの向こうにある扉に、鍵が合うことがわかった(このとき扉を開けなかったか、また鍵をしめてしまったらしい)。

ドアの向こうにはとてもきれいな庭が見えるので、そっちへ行きたいとアリスは思うが、間口が小さくて通ることができない。

焦ったアリスが、もう一度テーブルの上を見ると、「私をお飲み」という小瓶が置いてあるので、中身を飲んだらアリスの身体は小さくなる。

アリスは、扉を開けて向こうへ行けるサイズになったが、テーブルに鍵を置き忘れたので、今度はドアを開けることができない。

小さくなったアリスは、テーブルの上にある鍵を取れないので、テーブルの足をよじのぼろうとしたが、つるつるすべってのぼれない。ふと見ると、そばにケーキの入ったガラスの箱があり、ケーキにのっているすぐりの実に「私をお食べ」と書いてある。

アリスはケーキを食べてみる(ここまで第1章)。

この後アリスは、基本的にはウサギと出口(元の場所に戻れるところ)を求めて、不思議な世界をどんどん進んでいきます。

その間、身体のサイズが変わったり、言葉をしゃべる変な動物(みな個性的)に会って、話をしたり、変なクロケーをしたり、すぐに首を切ろうとするハートの女王にあったりと、夢の中でしか起きないできごとを次々と体験します。

この話は筋があるようでない、とも言えます。

最初(アリスが川のそばで昼寝している)と最後(女王のタルトを盗んだ者に対する裁判で、アリスが証言台に立って、まわりにいるトランプたちに、「あんたたちなんてただのトランプじゃん」と言ったら、トランプが矢のように降りかかってくるので、わーっとなっていたら、目がさめる)は、この場所のほうがいいでしょうが、ほかのできごとは、順番を入れ替えても成立すると思います。

何せ、夢なのですから。

大人になって読んでみて

子供のころ、子供むけにわかりやすく、短く書きなおされた、『不思議の国のアリス』を読んだことがあります(もちろん日本語)。

ディズニーアニメのアリスの絵がついていたので、このアニメのノベライゼーションだったのでしょう。「私をお飲み」とか「私をお食べ」と書いてある飲み物や、ケーキがすごくおいしそうで、自分の口に入れたいと思ったのか、この部分が一番印象に残っています。

最後に、すべて夢だったとわかって、「な~んだ。でも夢でよかった」と思ったのですが、そこへ行くまでのプロセスはかなり夢中で読みました。

今回、はじめて、オリジナルを読んでみました。すでに、これは夢オチだとわかっているので、「これからどうなるんだろう」とドキドキしはしませんでしたが、出てくる不思議な生き物と、アリスとのかみあわない会話がいちいち笑えました。

ダジャレも多いし、まるで落語です。

この本は何度読んでも、くすくす笑えると思います。なので、何か悲しいことがあったときや、落ち込んだときに、元気になるために読む本としておすすめです(とはいえ、人を選ぶでしょうが)。

アリスは意外にわがまま

子供のころ読んだときは、アリスはかわいい女の子という印象でしたが、原作を読んだら、アリスは、金持ちの甘やかされて育ったわがままな女の子、という印象に変わりました。

学校で習った難しい言葉を使ってみたり、何かを知っているところを見せようとしたりと、ややスノッブなところがあります。子供は皆、そうでしょうか?

最初のほうでは、すぐにめそめそします。その一方で、「泣いてちゃだめだ、行動だ」と自分に言い聞かせ、次のアクションを起こしますし、アリスなりに気遣いを見せるシーンもあります。

最後のほうではわりと強くなっているので、アリスが、冒険しながら成長していく物語としてとらえることもできます。

エピローグの存在

子供の頃読んだ本は、アリスが姉に起こされたあと、「まあ、アリス、本当によく眠っていたわね」と言うシーンで終わっていたと思います。

しかし、原作では、アリスが目覚めて、姉に夢の内容を伝え、お茶の時間に間に合うように、走って家に帰ったあと、さらに続きがあります。

姉は横になって、陽が落ちるのを見ながら、アリスとアリスの夢のことを考えているうちに、眠って夢を見ます。

その夢の中に、かわいいアリスの姿や、アリスが夢の中で体験したことが出てきます。

アリスが大きくなったとき、子供のころ感じた、単純でやさしい思いや、いろいろな冒険のことを自分の子供に聞かせるだろうか、そのとき、アリスは昔の自分を覚えているだろうか、楽しかった夏の日を覚えているのだろうかと、夢の中で、 姉が 思うところで終わるのです。

この部分を読むと、もう子供ではない人は、なつかしいような哀しいような気分になるでしょう。

英語はそんなに難しくないし、短いので、 多読におすすめです。 言葉遊び部分を味わうには、原文で読んだほうがピンと来ます。各国で翻訳が出ていますが、翻訳するの、大変そうです。

次は、『鏡の国のアリス』を読みます。

続編はこちら

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