最初と最後にしか登場しない父親、ビエル公爵

中世ふうの街並み 登場人物

アニメ『シンデレラ物語』登場人物の紹介、今回は、サンドリヨンの父であるビエル公爵(le duc de Biel)です。

物語中にはほとんど登場しない父親

ビエル公爵は、ビエル家の家長ですが、第1話で長い出張に出たあと、最終回(第26話)で戻るまで、いっさい登場しません。

たまにサンドリヨンの夢に出てきたり、回想シーンで出てきたりするぐらいです。そもそも、原作のサンドリヨンが、父親はいるものの、新しい妻に対して、何の発言権もない設定なので、これは仕方がないことでしょう。

ほとんど出てこない父親ですが、サンドリヨンが心から慕っている父親であり、公爵も娘のことをとてもかわいがっています。

ビエル公爵のプロフィール

ビエル公爵

ビエル公爵はエメラルド王国の大使(ambassadeur)です。外交官という仕事がら、留守がちで、第1話でサンドリヨンと花祭りを見に行ったあと、すぐに出張にでかけます。

しかも、「長い旅になりそうで、いつ帰れるかわからない」と言います。

彼が大使だということは、第16話で、公爵夫人が、 ザラール公爵に、「大使という仕事がら、夫は旅行がちですの」という話すことからわかります。

このとき、夫人と ザラール公爵は、サンドリヨンの家に飾ってある絵画を見ながら会話しています。「おもしろい絵ですね。誰が描いたのですか?」というザラールの問いに、夫人は、「イギリス人だということしか覚えておりませんわ。夫が出張したときに買い求めましたの」と答えています。

ビエル公爵は絵画が好きなのかもしれません。そういえば、サンドりヨンの母は、ポーレットと一緒に絵を習っていたので、夫婦2人して絵が好きだったかもしれません。

ビエル公爵は、以前、サンドリヨンの生母であるフランソワーズという美しい女性と結婚していました。サンドリヨンが母の形見として大事にしているオルゴール人形は、公爵がフランソワーズに贈ったものです。

残念ながら、サンドリヨンがまだ小さいとき、フランソワーズは、若くして重い病気にかかって亡くなります。その後、ビエル公爵は、いまの公爵夫人と再婚しました。

娘思いの父親らしい

ビエル公爵がやさしい人柄だということは、第1話でサンドリヨンと話している様子からわかります。

彼は、まま娘のカトリーヌやジャンヌのことも大事にしているらしく、一度、「最近、娘たちの将来のことをよく考えている。そろそろカトリーヌも年頃だから、ザラール公爵の遠縁の男性を結婚相手として紹介してくれるように頼んだ」という手紙を送ってきます(第20話)。

公爵夫人は、カトリーヌを王子と結婚させたいと思っていたので、「公爵はサンドリヨンの結婚相手を頼んだ」と嘘をつき、サンドリヨンと遠縁の青年をお見合いさせます。

細かいことは気にしないらしい

公爵が手紙を送ってくるのはこの回だけです。どうやら、妻のことを信頼しきっていて、家のことはすっかり任せているようです。

第26話で半年ぶりに帰ってきたとき、サンドリヨンが女中のような格好をしているのに、彼は異変に気づきません。

「サンドリヨン、まさかシャルル王子と結婚するなんて、思いもよらなかった。父さんはびっくりだ。本当によかった!」と言っているので、あまりの重大ニュースに、娘の服のことなんて気にする余裕はなかったのかもしれません。

しかし、最初は気づかなくても、そのうち気づきそうなものです。このあと、公爵は、「結婚のお祝いは何がいい?」とサンドリヨンに聞き、サンドリヨンは、「お父さまが帰ってきたことが一番の贈り物です。それにみんなの笑顔が何よりのプレゼントです」と答えます。

このあと家族は、動物たちも含めて再会を喜び、サンドリヨンは人形を持って、お城に向かいます。この時点でも、まだ女中服を着ていますが、誰も何も言いません。

出番が少ない父親ですが、サンドリヨンが素直ないい子に育ったのは、このおっとりしてやさしいお父さんと、見た目も心も美しいお母さんの遺伝子を受け継いだからかもしれませんね。

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