アニメ『シンデレラ物語』の登場人物紹介、今回は、重要な脇役、アレックスを取り上げます。
アレックスのプロフィール
アレックスは、日本語版では、王子の「ご学友」と呼ばれていますが、英語版やフランス語版では、page(パージュ、英語だとペイジ)という設定です。パージュは小姓(こしょう)、または近習(きんじゅ)で王侯貴族のおそばにお仕えする家臣です。
彼は、シャルル王子専任の家来で、エメラルド城に住んでいます。家臣としての仕事のほかに、王子の剣の相手をし、いっしょに勉強をし、いっしょに狩りに行き、王子の親友でもあり、相談相手です。
王子が街に出ていることがばれないようにカバーするのも彼の仕事ですし、ザラール公爵の悪巧みを偵察するために、王子と一緒に街に出たりもします。
第10話では、イザベルの誕生日パーティで、王子の身代わりもつとめました。
物語中、自分は王子ともっともつきあいの長い友だち、と言うシーンがありますが、そもそも王子には、アレックス以外、友だちがいるふしはありません。
サンドリヨンと知り合ってからは、イアン、マルセル、ニコラといった顔見知りができますが。
意外に衣装持ちのアレックス
アレックスの髪はライトブラウンのおかっぱ。このアニメは、よく見ると、金髪の人が1人も出てこず、セリフがある登場人物の中で、髪の色が明るいのはアレックスだけです。
ふだんは白いシャツの上に水色のベスト、さらにその上にえんじ色のベストを着ており、王子が街におしのびで出かける時は、えんじ色のベストを貸しています。
彼はほかにも濃紺のジャケットや明るいブルーのジャケット、白いアスコットタイ、ブルーのシャツみたいな服、オレンジ色のシャツ(ベスト?)などを持っています。
家臣なのに、シャルルより衣装が多いのです。シャルルは王子でいるときは、いつもワンパターンの袖のふくらんだ王子服とマント姿ですし、平民にばけているときは、いつも、白いシャツに青い膝丈のズボン、それにアレックスから借用したえんじのベスト姿です。
有能で気が利くアレックス
アレックスは、運動神経がよく、乗馬や剣の腕前もシャルルと同じくらいです。機転もきき、 シャルルの窮地を救うことがあるかと思えば、一晩中帰ってこないシャルルの不在を、王さまや家来に知られないようにうまくカバーしたりもします。
実際、彼は、シャルルの母親である女王よりも、シャルルの面倒をよくみています。
こっそり街に出ていくシャルルに、「またですか? 誘拐されたら大変なことになりますよ。くれぐれも気をつけてくださいね」とシャルルの身を気遣っています。
アレックスを見ていると、できる統治者には有能な家臣が不可欠だと改めて思います。
アレックスはサンドリヨンの存在にいつ気づいたのか?
私が、気になっているのは、シャルルはサンドリヨンのことをいつアレックスに打ち明けたのか、またはアレックスはサンドリヨンのことを知っていたのか、それとも全く知らなかったのか、ということです。
第16話で、王子が、病気のサンドリヨンに変わって、サンドリヨンの家で家事をしたことを、アレックスに話しているから、この時点ですでに、アレックスは、王子がサンドリヨンの友達だと知っているように見えます。
第18話では、ザラールの策略で、王子が絵描きの家に行ったとき、王子の身の上を心配したアレックスは、こっそり馬であとをつけて偵察します。このとき、サンドリヨンも絵描きの家にいたので、彼はサンドリヨンの姿を見ているはずです。
第22話で、王子とサンドリヨンが悪者につかまって井戸にほうりまれたときも、アレックスは近くにいて、王子を助けようとしていたので、サンドリヨンを見ています。
第23話で、ザラールがクーデターをおこしたときも、サンドリヨンは城まで来ているので、このときもアレックスはサンドリヨンの存在に気づいたはずです。
実際、うまくクーデターを鎮圧したとき、シャルルはアレックスに、「いろいろありがとう」とお礼を言ったあと、ホールの上のほうにいるサンドリヨンに、「サンドリヨン!」と呼びかけていますから、アレックスは彼女の名前も確認したはずです。
ところが、第25話で、舞踏会で謎の美女が落とした靴の持ち主を探しに行ったとき、サンドリヨンを前にしても、彼は何も言わないのです。「あれ? この人、王子のそばで何度も見かけた人だ」と気づかなかったのでしょうか?
細かいところに気がまわる彼ですから、絶対気づいたと思うのですが。
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