ウォルト・ディズニー制作の映画、『魔法にかけられて』(原題:Enchanted)を見ました。
Enchanted 予告編
おとぎの国に住んでいるおひめさまや王子さまが、現実世界のニューヨークにやってくる話です。
魔法にかけられて 基本情報
- 監督:ケヴィン・リマ(ウォルト・ディズニー会社所属の監督・アニメーター)
- 主演:エイミー・アダムス(ジゼル/プリンセス)、パトリック・デンプシー(ロバート、NYの離婚専門弁護士)、ジェームズ・マースデン(エドワード王子)、スーザン・サランドン(ナリッサ女王、悪い魔女)、ティモシー・スポール(ナサニエル、ナリッサの家来)
- ナレーションはジュリー・アンドリュース
- ミュージカルふう(しかし、そんなに歌は多くないと思う)ファンタジー、ロマコメ風味。完全な娯楽映画。子供が見ても大丈夫なつくり。
- 2007年のホリデー映画。ヒット作。制作費、8500万ドル、興行収入、3億4000万ドル以上。評論家にも受けがよく、いろいろな賞をとっています。
- おとぎの国はアニメで描写し、そこに住む人が、NYにやってくると、俳優たちが演じる実写映画になります。その後、たまに実写の映画にアニメの登場人物が共存します(ナリッサが、家来に命令するときなど)。最後にナリッサが怪獣になるところなど、特撮ふうのところはCGです。
- ディズニー映画のパロディ(セルフパロディ)がたくさん入っているそうですが、ディズニー映画をほとんど見ていない私にはわかりません。ジゼルがシャワーから出るとき、小鳥たちがタオルを運ぶのは、シンデレラと一緒だとわかりましたが、私にわかったのはここぐらいです。ジゼルが呼ぶと、鳥やネズミ、ゴキブリが大挙してやってくるのもそうなのでしょうね。
あらすじ
ジゼルはおとぎの国、アンダレーシアに住むお姫さま。彼女の歌声にひかれたエドワード王子と知り合い、おたがいに一目惚れしたので、翌日お城で結婚しようとします。
しかし、エドワード王子の継母、ナリッサは、王子が結婚すると、自分の王位が奪われると思い、ジゼルを、噴水(だったと思う)の底に突き落とします。ジゼルは、ニューヨークに迷い込み、そこで、シングルダッドのロバートと彼の娘、モーガン(6歳になったばかり)と知り合います。
王子は、ジゼルを追って、ニューヨークにやってきます。ジゼルがニューヨークで生きていることを知ったナリッサは、家来のナサニエルをニューヨークに送り込み、毒りんごを食べさせてジゼルを殺すように命令します。
一方、ロバートは、不思議すぎるジゼルに最初はおおいにとまどうものの、だんだん彼女の純粋なところに、ひかれていきます。
冒頭のアニメーションは手書き
冒頭10分ほどは、アニメーションですが、これはアナログアニメだそうです。ディズニーは、2004年にデジタルアニメに完全に移行したそうですが、この映画は、過去のディズニー作品のオマージュでもあるので、あえて手書きにしたとのこと。(制作はジェームズ・バクスター・アニメーション)。
私は例によって、なんの予備知識もないまま見始めたので、「あれ、これアニメーションだったの?」と思って見ていました。1950年のシンデレラより、動物たちがまるっこくてかわいいです。
このアニメで描写されているものや、過去のディズニー・アニメにでてきたものが、実写部分で再現されているのがひとつの見所です。
実写部分では、ジゼル役の女優が、アニメでのおひめさまをうまく演じており(いろいろなところで、突然歌い出す)、現代人から見るとちょっと頭のいかれた人だけど、心が清らかで、憎めないキャラクターとなっています。
単細胞すぎるエドワード王子
ジゼルもニューヨークに来たばかりの頃は、相当あぶない人ですが、それよりもっと強烈なのは、エドワード王子です。彼は、頭はからっぽだけど、愛した人を救うためにどこまでも追いかけてきて、邪魔者は剣でたたき切ろうとする人間です。あまりにアホすぎて、彼が出てくるたびに、笑ってしまいます。
バスを怪物だと思って、上から、剣をつきさしたり、テレビを魔法の鏡だと思って、話しかけたりします。彼は人の言うことなどいっさいおかまいなしです。
確かに、おとぎ話に出てくる王子は、人のいうことを聞かないし、深い思考もしませんね。
ジゼルの友だちのシマリス(これはCGだと思います)が、ナサニエルが毒りんごでジゼルを殺そうとしていることを必死にジェスチャーで伝えても、王子は勘違いばかりします。
娘のモーガンがかわいい
モーガンの父ロバートは、自分で 問題に対処できる強い子になってほしいと、夢や魔法が出てくるおとぎ話の本をモーガンに与えません。
しかし、たぶんそのせいもあり、モーガン自身はおとぎ話を信じています。母親がいなくて内心さびしいモーガンはジゼルになつきます。
モーガンはほっぺたがぷっくりしていて、ちょっと愛想のないところが、とてもかわいいです。ちらっと出てくる部屋もかわいいです。ぶりっ子じゃないのでとても好感をもてます。
先が読めるけど楽しい映画ではある
アンダレーシアからニューヨークにやってくる人たちは、皆、おとぎの世界の住人を実写でうまく再現しているし、音楽(歌)もいいです。
ただ、ジゼルはロバートと結ばれるのだとすぐにわかるストーリーに新鮮味はありません。
ロバートは、妻に去られ、仕事で離婚する人たちを何人も見ているので、「永遠に続く愛なんてないし、夢も叶わない」と考えています。しかし、真逆の信念をもっているジゼルの人柄にふれて、考え方が変わります。
そして2人は結ばれるのですから、ディズニーは、「(おとぎの国でなくても)真実の愛はある、夢もかなう」と言いたいのでしょう。
ストーリーはオリジナルですが、白雪姫(毒りんごと愛する人のキスでの復活)とシンデレラ(12時になると、毒が確定してジゼルは死ぬ、ジゼルがロバートを助けるために、外にでるとき、靴がぬげる、その靴を王子が拾うなど)のモチーフが使われています。
ディズニー映画のファンはもちろん、そうでない人にも楽しめる映画だと思います。
一番最初に出てくる歌、 True Love’s Kiss (真実の愛のキス)の歌詞を紹介しています。
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