アニメ『シンデレラ物語』の登場人物紹介、今回はザラール公爵( le Duc Zâral )です。彼は、シャルル・ペローの原作には登場しない、このアニメのオリジナルのキャラクターです。
野望の人、ザラール
このアニメにおいて、ザラールはシャルル王子と敵対する、正真正銘のかたき役です。シャルルの強さを引き立てる役とも言えます。
彼は、エメラルド王国の国王の家臣で、この王国での地位は、シャルル王子に続いて、ナンバー3。しかし、本人は、ナンバー1になりたいと思っています。
国を乗っ取り、自分が国王になることが、彼のゴールです。そのために、ひそかに計画をたて、手下を使って、 着々と 準備をしています。
国王と女王は、彼のことをとても信頼していて、彼がそんなことを考えているとは夢にも思っていません。しかし、頭がよく、鋭い直感をもつシャルルは、ザラールが変な動きをしていることに気づいています。
ザラールのプロフィール
ザラールは金持ちの貴族で、勤務先はエメラルド城。大きな屋敷を持っていて、彼の家からもっとも近い貴族の家は、サンドリヨンの父、ビエル公爵の家です。
イザベルという娘が1人います(番組の中で17歳になる)。家族はほかにはいないようです。イザベルのお母さんは死んでしまったのでしょうか?
痩せ型で背が高く、髪はグレーがかった茶色。いつもゆるくポニーテールにしています。また、同じ色のひげをあごの下にはやしています。
たいてい紫色の上着を来て、首にはアスコットタイというのか、白いスカーフを巻いています。なかなかおしゃれと言えましょう。
ドーベルマンみたいな犬を2匹飼っています。この犬は城の中で放し飼い。自分の犬を勤務先に連れてきていいのでしょうか。
ザラールの計画その1
彼は、自分の娘、イザベルをシャルルと結婚させようとして、あれこれ根回しします。上の画像では、ザラールはお茶を運んでいますが、ふつう公爵はこんなことは絶対しません。
しかし、彼は、国王と女王にお茶をお出しして、ご機嫌をとりつつ、イザベルとシャルルの結婚話をすすめる魂胆なのです。
イザベルがシャルルと結婚し、子供を産めば、男の子なら、次期国王です。ザラールは摂政の立場で、国を動かすつもりなんだろう、と私は思っていました。
この計画はわりとまっとうで、納得できます。
ザラールの計画その2
しかし、第9話、Les conspirateurs で、ザラールは娘とシャルルを結婚させてから、国王と女王を殺し、シャルルも殺して、自分が王さまになる、と手下に言っています。
正直、よくわからない計画です。王族を殺すなら、べつに王子と娘を結婚させなくても、いいような気がします。
シャルルが、イザベルにまったく関心を示さないので、計画を変更したのかとも思ったのですが、ザラールは、「王子はもうすぐ自分の娘と結婚する」と言っているので、そういうわけでもないようです。
とにかく彼は、王族を皆殺しにするつもりです。
そのために、城から武器を運び出し、街のあちこちに置いて、後日クーデターを起こします。
彼の隠れ家の1つには、剣や銃、大砲みたいなものまであったのですが、なぜか、クーデターを起こしたときは、剣だけで戦っていました。
シャルルの秘密を知っている
ザラールは、シャルル王子が、時々、平民に化けて、街をうろついていることを知っています。まあ、シャルルは、さして警戒せず、側近アレックスのベストを借りると、ふらふらと出ていくので、誰かに知られても不思議はありません。
ザラールは、この秘密をネタにして、第12話で、シャルルを恐喝します。王さまや女王に秘密をばらされたくなかったら、イザベルと婚約発表をしろ、というのです。
ばらされて困るような秘密でもないと思うのですが(王さまは怒るでしょうが)、シャルルは、結婚するしかない、といったんは観念します。
ビエル公爵と交流があるらしい
サンドリヨンの父とザラールは、ともに公爵という爵位を持つせいか、知人の間柄であるようです。しかし、どの程度の知り合いなのかは、よくわかりません。
第16話で、なぜかザラールは、サンドリヨンの家に、夕食を食べにきます(ビエル公爵は出張中)。
ビエル公爵夫人の紹介記事で、書きましたが、このとき夫人は、「夫は大使で、出張が多いんですの」とザラールに言っています。つまり、このとき、ザラールはビエル公爵が大使だということを知らなかったらしいのです。
ところが、 第20話では、ビエル公爵が手紙に、「カトリーヌもそろそろ年頃だから、結婚相手として、ザラール公爵にたのんで、遠縁の青年を紹介してもらった」と書いています。
すると、2人はそれなりに親しい知り合いなのか?
このあたり、脚本家の連携ミスかもしれません。
いつもシャルルに妨害される
ザラールは2回クーデターを起こしますが、そのたびに、シャルルに邪魔され、計画を成就することができません。
ほかにも、何かやろうとするたびに途中まではうまくいくものの、最後には、シャルルやサンドリヨン、犬のベルースに邪魔されます。
「シャルルはいつまでも子供で困る」と言う王さまに、「いえいえ、あれで王子はなかなか賢いところがあります」とザラールは言っているし、シャルルの剣の腕前もザラールはよく知っています。
けれども、ザラールはシャルルの本当の怖さをわかっていなかったようです。
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