シンデレラII(ディズニー、2002年)を見た感想

ウエディングドレスのすそ シンデレラ

ディズニーの1950年公開のアニメ、『シンデレラ』の続編、シンデレラIIを見ました。公開は2002年です。

このアニメ、アメリカではとても評判が悪く、「史上最悪の続編」などと言われたりします。

Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト) というアメリカの有名な映画レビューサイトでは、評論家の採点が11%、一般大衆(映画を見た人)の採点が33%です。11%とは、10段階評価で1ということです。

「そんなにつまらない映画なんだね」と覚悟して見ましたが、まあ、最高傑作とはいいませんが、「ふつうのアニメ映画だ」と思いました。

この映画を楽しむコツは、「シンデレラ」の続編だと思わないことです。外伝みたいな、ちょっとしたエピソードが集まっている、と思えば、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。

シンデレラIIの予告編

DVD(スペシャルエディション)用の予告編です。

Cinderella II: Dreams Come True (2002) Trailer

これは最初にDVDになったときの予告編と同じで、多少映像や音がよくなっています。この予告編を見ると、「シンデレラが王子さまと結婚してお城に入ってからのできごとが描かれているんだ」、と思うでしょう。そう思って見ると、「え?」となり、がっかりするかもしれません。

3話集まったアンソロジー

シンデレラIIは、20分ぐらいの話が3つ集まっているオムニバス形式です。そもそもこの構成が、人々の不満の元になっています。「まともな長編映画ひとつ、作れないのか?」と。

しかも、3つのうち、シンデレラが主役なのは第1話だけ。第2話の主役はジャック(やせたほうのネズミ)、第3話はアナスタシア(まま姉の妹のほう)です。

シンデレラの続編なら、主役はシンデレラであるべきだと思います。まあ、ちょっとひねって王子さまから見たシンデレラの宮廷生活、というのもあるかもしれませんが、それでも、描かれるべきはシンデレラの新生活でしょう。だって、タイトルが「シンデレラ2」なのですから。

ところが、この続編は、ネズミといじわるなすぐ上のまま姉(紫のドレスを着ている人)がシンデレラと同じ立ち位置。しかも、予告編にはそんなそぶりはまるで見られません。

やはり主役はネズミなのか?

オリジナルの『シンデレラ』の感想として、私は、やたらと動物(特にネズミ)が目立っていることを書きましたが、続編でもやはりネズミが目立っています。

そもそも、この3つの話を書いたのはネズミたち、ということになっているのです。

映画が始まると、ジャックとガス(太ったほうのネズミ)が何やら急いでいて、「魔法使い(フェアリー・ゴッドマザー)が来ていて、シンデレリー(ジャックはシンデレラをこう呼びます)の物語を読んでる、早く行かなきゃ」と言います。

2人(2匹)が部屋にはいると、「…シンデレラと王子さまは末永く幸せに暮らしました」と魔法使いが本を読み終えるところでした。ジャックとガスは、「え~、もう終わり? ほかのシンデレラの話も読んで」と魔法使いにせがみます。

魔法使いは「シンデレラのお話はこれしかないの。でもそんなに聞きたいなら、あなたたちがお話を作ってごらんなさい。本にしてシンデレラにプレゼントしましょう」と提案します。

かくしてネズミたちは、3つの話を作り、絵も描いて、魔法のヘルプを得て1冊の本にして、シンデレラにプレゼントするのです。

これって、なんか不思議ですよね? 魔法使いが読んでいたシンデレラの話が、1950年のアニメの話なら、その話の中にガスもジャックもいたのに、その話を聞きたいだなんて。自分たちが活躍した話を何度も聞きたいということなのでしょうか?

とにかく、ネズミたちが1つずつ作っていった話が、1話ずつ紹介される形式なので、これは、事実(お話の中の事実)ともいえるし、ネズミが勝手に考えた絵空事で、シンデレラの話とは何の関係もない、ともいえます。今後の展開(さらなる続編映画の可能性)を残した展開なのかもしれません。

観客は、「お話の続きだ」と思うのがふつうですから、シンデレラが主役のストーリーが1本の映画になっていないことに違和感を感じるでしょう。

自分自身でいなさい、そうすれば夢は叶う

この映画の副題は、Dreams come true(夢は叶う)です。これは1本目のシンデレラのテーマでもあります。

3本の話のテーマは、共通していて、「自分自身を貫きなさい。そうすれば夢が叶いますよ」という、いかにもディズニーの好きそうな(といっても、私がまともに見たディズニーの映画は、子供のころ見たものを除くと、今のところ、「シンデレラ」「シンデレラII」「アナと雪の女王」のみ)テーマです。

以下にそれぞれの話しのあらすじを書きます

第1話:革命的な宴を主催するシンデレラ

新婚旅行から戻ったばかりのシンデレラの初仕事はロイヤルバンケットの主催。プルーデンスというお城の流儀を教える女性にいろいろ教わるものの、あまりも、権威的で古臭いやり方に切れたシンデレラは、無理やり着せられていたピンクのドレスを脱ぎ捨て、もとの女中服姿に戻り、「私は私のやり方でバンケットを取り仕切ってみせるわよ!」と宣言し、実際そうします。

第2話:人間になってみたジャック

シンデレラと一緒に、お城についてきたネズミたち。しかしジャックは、「昔のようにシンデレリーを助けるチャンスがない、もうネズミなんかに用はないんだ」と悲しみにくれます。そこにあらわれた魔法使い、「ジャック、あなた、人間になりたいの? そうなのね。じゃあ人間にしてあげましょう」。人間になったジャックは、お城のフェスティバル(だったと思う)の準備をするシンデレラを手伝いますが、最後には「ネズミのほうがいい、ネズミ最高!」と気づき、魔法使いにネズミに戻してもらいます。

第3話:アナスタシアの恋

シンデレラが嫁に行ってからというものの、王子とお姫様がくるくる踊るオルゴールを奏でながら、ためいきをつくアナスタシア。どうやら、アナスタシアも恋や結婚にあこがれているようです。そんなある日、母と姉と街に出かけたとき、偶然入ったパン屋さんで、アナスタシアは、パンを焼いていた人に一目惚れします。パン屋さんもアナスタシアを気に入った様子。

しかし、「平民とつきあうなんて馬鹿なことするんじゃありません!」と母に言われ前途多難ですが、 シンデレラが姉を助けるために登場します。

途中、アナスタシアの誤解もあり、この恋は実らないのではないか、と思う局面もありましたが、うまく誤解もとけ、パン屋さんに自分の気持ちを目で伝えていたところ、また母親がやってきて、仲を引き裂かれそうになります。が、アナスタシアは、母親に反抗し、自分の意志を貫きます。

3つの話の中では、このエピソードが一番好きです。

やはり王子は存在感なし

1950年のシンデレラより、王子は多少セリフがありますが、やはりほとんど存在感がありません。新婚旅行から戻ってきたあと、すぐに、王子は 王さまに連れられて、どこかに行ってしまうのです。

だから3話とも、シンデレラはほとんど単独行動をしています。しかも、パーティのとき以外は着慣れた女中服姿です。あの服もお嫁入り道具として持っていったのですね。王子さまがしっかり登場するのは、舞踏会で踊る時だけ。そして、シンデレラとキスをするときだけ。

結婚する意味、あるんでしょうか?

短いお話を集めた映画なので、アテンションスパンの短い子供には、長いものよりとっつきやすいと思います。「子供のとき見ていて大好きだった」という人もたくさんいます。

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