フェアリーテール・シアター(Faerie Tale Theatre。1982年~1987年)はおとぎ話の実写ドラマを放映していたアメリカのテレビ番組です。全部で27エピソードありますが、その中からシンデレラを見ました。
この番組は毎回、有名な役者が主役を演じています。シンデレラ役は、1983年、『フラッシュダンス』という映画で大ブレイクしたジェニファー・ビールスです。
シンデレラ、基本情報
- フェアリーテール・シアターのシーズン4、エピソード5、1985年8月にアメリカにて放映
- 主演:ジェニファー・ビールス、マシュー・ブロデリック(王子)、ジーン・ステイプルトン(フェアリーゴッドマザー)
- シャルル・ペローのシンデレラを比較的忠実に脚色。舞踏会も2回あります。
- 王子様と王様は、ディズニーアニメのシンデレラの影響か、軍服姿。
- 長さは50分。最初に、番組のホスト役、シェリー・デュバルが、炉端で解説をします。このシリーズ全体の制作もシェリー・デュバルです。
シンデレラ度
かなり忠実にリテリングしているので、シンデレラそのもののシンデレラです。ただし、主役のジェニファー・ビールスは、肌が浅黒く、髪も真っ黒なので、よくある白人のプリンセスではありません。しかし、とても優美なシンデレラです。
マシュー・ ブロデリックは、ウィットのあるチャーミングな王子様を演じていますが、そこまでコミカルな演技ではありません。
一番目立っているのは、フェアリー・ゴッドマザーだと思います。冗談好きだけど、とてもあたたかい人柄の仙女です。はじめて登場したとき、バックから、魔法の杖のパーツを出して、つなげて杖にするところがおもしろいです。
シンデレラが、「私に、フェアリーゴッドマザーがいるなんて知らなかったわ」というと、「私たちは、いつも目立ちすぎないように、気をつけてるのよ。それに、やたらと助けてしまったら、本人のためにならないし」と言います。
馬車を出す前に、かぼちゃの中身を取り出したり、はつかねずみを馬、ドブネズミを御者に変えるのも原作どおりです。ただし、馬は2匹です。
また、ガラスの靴は、魔法では出さず、贈り物としてさしだすのも、原作どおりです。
舞踏会は2回あるため、1度目の舞踏会でシンデレラと王子がお互いにひかれあい、1週間後の次の舞踏会までに、思いを募らせるという設定になっています。
初回のドレス
初回のドレスは、クリーム色に金色の刺繍をほどこしたものです。シンデレラは、ヘンリー王子とは知らずに、踊っていて、踊り終わったあと、王子はどこかいな、とあたりを見回して探します。
その様子を見て、王子は、「誰か、探してるの? ああ、恋人をさがしてるんだ、やっぱりね」とちょっとがっかりします。「いえ、王子さまを探しているんです」「ああ、王子ね、なかなか魅力的な男だよ。彼はね、えーっと、さっきあっちにいたな、あ、もういないな。えーと、今は、君のとなりにいる」。なかなか茶目っ気のある王子さまです。
2回めのドレス
2回めの舞踏会では、白いウエディングドレスみたいなドレスでした。スカートに布地をたっぷりつかっていて、踊ると映えるドレスです。
このときは、シンデレラは、王子と話し込み時間を忘れてしまったので、12時の鐘の音をきいて、走り出します。
シンデレラが落とした靴を拾う王子。後ろにいる家来が、「私のではありません」と言います。
それなりに楽しいシンデレラだけど
ときどきジョークをはさみながら、無難にまとめたシンデレラです。最後まで楽しく見ました。私はジェニファー・ビールスも、 マシュー・ブロデリックも好きで、ふたりとも、それぞれうまく演じていると思います。
ただ、この2人が運命の恋に落ちるカップルにはどうしても見えません。「親の再婚で、姉と弟になった2人」に見えます。
まあ、原作のサンドリヨンにしても、ラブロマンスではないのですから、べつにお似合いのカップルでなくてもいいのかもしれません。ですが、もう少しときめく感じがする、シンデレラのリテリングのほうが好きです。
フェアリーテール・シアターは、全部で25の童話をドラマにしています。主演だけでなく、演出家も毎回変わり、すでに有名な人や、のちに有名監督になる人もいて、評判のいいドラマシリーズです。
DVDは手に入りにくいのですが、全エピソード、YouTubeにあるようなので、また少しずつ見ていきます。
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