シンデレラ(ディズニーの実写版、2015)の感想

夜のお城 ペロー童話

2015年に公開されたディズニーの実写版のシンデレラを見ましたのでざっと感想を書きます。まず予告編をごらんください。

シンデレラの予告編

この予告編、うまく物語のポイントをおさえていて、だいたいこの順番で話が進みます。予告編に入っていない重要なシーンは、最後の靴の持ち主探しだけです。

予告編を見るだけで、これまで見てきたテレビ映画とは、お金のかけ方が全然違うことは歴然としています。「これだけお金をかけているのだから、おもしろくないと、まずいよね」と思うほど、お金がかかっています。

Wikipediaによると、制作費は $95,000,000~ $100,000,000。9500万ドルだったとしても、100億円越えます。興行収益は、2016年の5月の数字で$543.5 million とあるので、制作費の5.43倍だから、興行的には成功したと言えるでしょう。

制作時間もかなりかかっていると思います。あまり期待しないで見たのですが、意外といい作品でした。1回見て終わらせるのはもったいないので、今後じっくり見ていきます(私は、気に入った作品は何度も見るほうです)。

シンデレラ:基本情報

  • 監督:ケネス・ブラナー
  • 脚本:クリス・ワイツ
  • 主演:ケイト・ブランシェット、リリー・ジェームズ、リチャード・マッデン、ヘレナ・ボナム=カーター(フェアリーゴッドマザー)

ここから、詳しい内容を書きますので、これから見る人は読まないほうがいいかもしれません。

大事なのは勇気と親切心

アニメのメッセージは、「夢を持ち続けていればいつか叶う」でしたが、実写版のメッセージは、「いつも勇気をもって、親切でいなさい。そうすればいいことがおこります」というものです。

もう1つ、「本当の自分自身でいなさい」というメッセージもあります。

勇気と親切心が大事、というのは、シンデレラの亡くなったお母さんが、娘に伝えた言葉です(予告編の1分54秒あたりにでてきます)。

この作品、先日見た、ドイツのシンデレラのテレビ映画とちょっと似ていて、シンデレラの小さい頃の描写があります。エラ(これが本名)はとてもやさしいお母さんとお父さんの愛情をたっぷりうけて幸せだったのですが、お母さんが突然死んでしまいます。

死ぬ前に、お母さんがシンデレラに、「いつも勇気と親切心を忘れちゃだめよ。親切のあるところには善良さがあり、善良さがあるところには魔法があるのよ」と言うのです。

英語では、Have courage and be kind. For where there is kindness there is goodness, and where there is goodness there is magic. です。

勇気を持つということは、行動せよ、ということなので、アニメのシンデレラより、実写版のシンデレラのほうが、現代的です。

王子さまとシンデレラは森で出会う

この作品、シンデレラの王道というか、だいたい人々が思い描くシンデレラのストーリーどおりにすすみ、そんなにひねりは入っていません。ストレートなシンデレラ話になっていて、好感が持てます。

アニメと違うのは、舞踏会より前に、王子さまとシンデレラが森で出会っていることです。

森で出会うシーン(2分)

このとき、もう2人はかなり気が合い、王子はシンデレラのことを好きになっているので、舞踏会で、舞踏会でもう1回会って、完全に恋におちる、というのもまあ、説得力があります。森では、シンデレラは自分の名前を王子に伝えませんし、王子も自分が王子とだとは名乗らず、自分はKitだと言います。

シンデレラは、この、Kitと名乗る人は、お城で何か見習いをしている人だと思います。

舞踏会当日は、2人でかなり長い時間踊っていて、そのあと、秘密の花園に行って話し込んでいます。

シンデレラと王子は結婚するまで、回数にすると2回しか会っていないのですが(靴をはかせるときを入れると3回)、シンデレラ役のリリー・ジェームスと、王子役のリチャード・マッデンは、数回会っただけで、しっかり結ばれてしまう2人をうまく演じていると思います。

アニメの王子は、まったく存在感がないので、この点だけでも、私は実写版のほうが好きです。

美しく存在感がたっぷりの継母

まま母役は、世界的に有名な女優、ケイト・ブランシェットです。こちらは、ケイト・ブランシェットの演じたまま母のシーンをはさみつつ、ケイト・ブランシェットと監督のケネス・ブラナーが語っている動画です(2分10秒)。

アニメのトレメイン夫人は、悪い魔女的な風貌でしたが、ケイト・ブランシェットは美しすぎるまま母です。しかし、意地悪で嫉妬深く、性格が悪い感じはよく出ています。ドレスもきれいですね。登場人物は18世紀あたりの服装をしているのですが、まま母は、なんとなく1940年代ふうで、目立っています。

この作品では、シンデレラが、「なぜ、あなたはそんなに残酷なことをするの?」とまま母と対決するシーンがあります。そのとき、まま母は、自分のストーリーを、「昔むかしあるところに~」とおとぎ話に仕立てて話します。ここは、ケイト・ブランシェットの実力を感じさせるいいシーンです。

ほかにもいろいろ見どころがあります。シンデレラの話が好きな人には、おすすめの映画です。シンデレラが嫌いという人も、見てみるといいかもしれません。

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