A Prince For Christmas (クリスマスのプリンス)(2015)の感想。

雪景色 映画のレビュー(一般)

夏なのに、クリスマスムービーを見ました。意外とおもしろかったので感想を書きます。2015年の11月25日にアメリカのStarzというケーブルテレビのチャンネルで放映されたテレビ映画です。

クリスマスのプリンス、予告編

予告編をみるといかにもありがちなストーリーで、つまらない映画に思えるかもしれません。事実、レビューサイトでは、「しょうもない映画」「ソープ・オペラですか?」「セリフがだめだめ」と手厳しい意見が目立ちます。

しかし、私は気に入りました。

クリスマスのロイヤル話

欧米では、クリスマスになると、プリンセスやプリンス、ロイヤルファミリー、お城が舞台になったラブロマンスの映画がたくさん作られ放映されます。タイトルもみな、よく似ています。

プリンス/プリンセスが平民の世界にまぎれこんだり、平民がプリンス/プリンセスと恋をして、ロイヤルファミリーになったりといったストーリーです。この種のストーリーで傑作として有名なのは、オードリー・ヘップバーンが主演した『ローマの休日』でしょう。

ロマンチックな王道恋愛映画を見て、クリスマスをほっこりすごしたいと思う人がたくさんいるのかもしれません。私も、去年のクリスマスイブに、その種の映画(Netflix)を娘といっしょに1つ見て、あまりにつまらなかったので、「選択をあやまった」と悔やみました。

こうしたロイヤルファミリーが舞台の恋愛ものも、シンデレラ・ストーリーといえますね。ふつうの人が、ある日突然、ロイヤルファミリーになるわけですから。

ロイヤル度が低い A Prince For Christmas

A Prince For Christmas は、放映されたときは、Small Town Prince (小さな街のプリンス)というタイトルだったそうです。

そのタイトルどおり、プリンスはアメリカの田舎町(オーロラ East Aurora という実在するニューヨーク州の街)で、そこに住む娘と出会い、数日つきあって恋に落ちるので、お城や舞踏会みたいなものはいっさい出てきません。

雪景色が美しい街は、私の住む街とよく似ており、親しみを感じました。予告編の50秒あたりで、エマ(ヒロイン)が王子(プリンス・ダンカン、エマにはデヴィッドと名乗っている)を雪の中に突き倒しているシーンは、スノーエンジェル(snow angel)の作り方を教えているのです。

スノーエンジェルとは、積もった雪の上で仰向けになって、水平に伸ばした両手を上下に動かし、足もちょっと動かして、雪の上に天使の形をつくる遊びです。

王子さまは Balemont (架空の国)というヨーロッパの王国の王子で、毎年ヒマラヤ山脈に家族とバカンスに行くのに、スノーエンジェルを知らなかったのです。

こんなふうに、雪景色が多く、ロイヤルものというより、ふつうのロマンス映画に見えます。私は自分ではまったくウインタースポーツをしませんし、寒いとき、外に出るのは大嫌いですが、きれいな雪景色が見られる映画は好きです。

苦労人のヒロイン、エマ

ヒロイン、エマは20代半ばぐらいでしょうか。3年前の12月19日、両親が突然交通事故で亡くなって以来、親が経営したダイナーをきりもりしています。毎日、ウエイトレスとして働き、資金繰りに苦労しています。高校生の妹がいて、エマが親代わりになって面倒を見ています。

妹はバイオリンが得意で、音楽を学べる大学の試験に受かりますが、エマは、妹の学費を用意できず、とうとう、ダイナーを売りに出すことにします。

エマには、いろいろな国に行って世界を見たいという夢がありますが、店のことや妹の面倒など、考えるべきことが多く、いつも自分のことはあとまわしです。

そんなとき、プリンスに出会います。プリンスは、1週間後のクリスマスに、親の決めた相手と結婚することになっており、どうしてもその気になれないので、城(?)を抜け出し、アメリカにやってきたのです。

王子も、これまでいつも親の言いなりで、自分のしたいようにしてこなかった人でした。王子は、エマがダイナーを売らなくてすむように、新メニューを考えたりして彼女を助けます。

話し方が、ちょっとほかの人と違う王子ですが(イギリスの俳優なので、王子だけブリティッシュ英語)、とてもいい人で、行動力もあり、こんな人が王さまになったら、国民は幸せだろうなと思います。

きっと立憲君主国で、政治は政治家がしていると思いますが。

美男美女のカップル

クリスマスのロイヤルロマンスもののテレビ映画は、あまりハンサムな王子が出てこないし、ヒロインもそんなにきれいじゃないことが多いのですが、この映画の2人は 、見た目も美しく、よいと思います (あくまで私の主観) 。

2人がだんだん仲良くなっていくシーンはほのぼのとします。

エマは、ふだんはカジュアルな装いでふつうっぽいのですが、王子がディナーに招待したとき、黒いワンピース姿で、ばっちりお化粧をし、いきなり女優オーラが出ていました。「ああ、この人、きれいな女優さんだったんだ」とちょっと驚きました。

妹役の女優(芝居はいまひとつ)はエマによく似ていて、まるでほんものの姉妹です。バイオリンを弾いているシーンがありますが、ほんの数秒なのに、本人が弾いていないのがまるわかり。ここは、もうちょっと練習(演出)してほしかったですね。

ファミリーむけなのか、スラングなど出てこないわかりやすい英語で、学習素材としても向いています。

日本でもそのうちNetflixあたりで公開されるかもしれませんね。似たような映画がありすぎて、輸入されない可能性も高いですが。

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