海外での評価

地球儀 『シンデレラ物語』について

英語のWikipediaでThe Story of Cinderella( 『シンデレラ物語』の英語のタイトルですが、この名前よりも、Cinderella Monogatari で検索したほうが情報が出てきます)を調べると、イタリアと日本の共同制作となっています。

タツノコプロとMondo TV という会社の共同制作です。

きっと、Mondo TVがタツノコプロにアニメの制作を発注し、日本以外の国で配給するラインセンスを持っているのでしょう。

海外ではわりと人気あり

海外ではおおむね好評だったと思われます。YouTubeに、『シンデレラ物語』がアップされていますが、英語版とフランス語版のコメント欄をみると、「このアニメ、小さいときに見ていた。大好き」という声が多いからです。

まあ、ほかの、世界的に超有名なアニメに比べれば、たいしたことはないのかもしれませんが、ファンがいることは確かです。

しかも、「26話で終わって残念だ、シーズン2も作って」と、つい2、3年まえにコメントが入っていますし、「Mondo TVに続編を作るようにメールした」というコメントも見ました。数は少ないですが、ファンフィクション(二次創作)もあります。

また、トリビュート動画も、YouTubeにわりとあります。「ポルトガル語版の再放送をポルトガルでしてもらいたいので、このトリビュート動画を作った」と説明にある動画もあります(この動画、ものすごくできがいいです)。

トリビュート動画とは、ファンが、映画、アニメ、ドラマのシーンを好きなようにつなぎあわせて、好きな音楽をつけて作るビデオのことです。

さらに Pinterest や Tumblr  で、Cinderella Monogatari で検索すると、アニメの画像がたくさん出てきます。

フィリピンでは、1990年代後半、2001年、2005年ごろ、2008年と4回放映があり、そのたびに見た、というブログポストを2つ発見しました。

小さいときに見ていたアニメだから、心の中にいつまでも残る、特別な存在になる、とも言えますが、そのアニメに魅力がなければ、すぐに忘れてしまうだろうし、大きくなってから(コメントを書いている人は、だいたい15歳~25歳あたりだと推測)また見ようとは思わないでしょう。

私も、子供のころは、たくさんアニメを見ていましたが、いまさら、『鉄腕アトム』、『リボンの騎士』『ひみつのアッコちゃん』の全エピソードを見たいとは思わないし、「続編を作って」と制作会社にメールする気にもなれません。

まあ、私は25歳よりずいぶん年をとっていますが。

『シンデレラ物語』は大人が見ても楽しめる魅力を持っているから、いまも根強いファンがいるのではないでしょうか?

いろいろな言語のダビング版がある

『シンデレラ物語』のオリジナルは日本語ですが、ほかの国でも放映されていたので、いろいろなダビング版があります。

英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、アラビア語、タガログ語、ポーランド語、ポルトガル語版など。YouTubeにはヒンディー語版もあります。中国の動画共有サイトには、中国語でしゃべっているものもあります。

韓国でも放映されていたらしいのですが、日本語音声にハングルの字幕がついたものだったのかもしれません(日本語音声にハングルの字幕がついた動画が共有サイトにアップされています)。

アニメのタイトルも、国によって違っていて、以下のようなタイトルがあります。

A Cinderela (ポルトガル語)
Assepoester (ドイツ語)
Cendrillon (フランス語)
Cenerentola (イタリア語)
Cenicienta (スペイン語)
Cinderella StoryKopciuszek (ポーランド語)
La Cenicienta (スペイン語)
La Leyenda de Cenicienta (スペイン語)
The Story of Cinderella(英語)
سندريلا (アラビア語)

タイトルの参照元はこちらです⇒ Cinderella Monogatari (TV) – Anime News Network

英語版はありますが、英語圏の国で正式にリリースされたことはなく、この英語版は、英語圏ではない国(フィリピンあたりか?)で作られたものらしいです。そのせいか、英語版は、セリフの翻訳ミスがわりとあり、おまけに、まともにミキシングしていないのか、BGMが大きすぎてセリフを聞き取りにくいです。

フランス語版のほうがずっとできがいいので、フランス語がわかるなら、こちらをおすすめします。

イタリア産のアニメだと思われている?

YouTubeにあがっている動画(たぶん海外で配給されているものはすべて)のクレジット(オープニング、エンディングとも)には、タツノコプロの名前はいっさいなく、Mondo TVがすべてを制作しているとなっています。

実際、私も最初の数話は、イタリア産のアニメだと思いながら見ていました。「イタリア産のアニメってめずらしいな。だから、女の人が大人っぽいのかな?」なんて考えながら。

ですが、あるとき、テーマソングについて調べていて、タツノコプロが作っていると知ったのです。

同じく古い日本産のアニメで、Mondo TVが海外で配給している、『怪傑ゾロ』のクレジットには、「アニメはTOHO COMPANY LTD (東宝株式会社)が作っている」とあるのに。

なぜ、『シンデレラ物語』にタツノコプロの名前がないのか、とても不思議です。そういう契約なのでしょうか?

YouTubeのコメント欄で、「Mondo TV、すばらしいアニメをありがとう」とあるのを見ると、「いや、作ったの、日本のタツノコプロだから」と心の中でつぶやいてしまいます。

ネット上でも、「私は、ディズニーのアニメのシンデレラより、イタリアのTVシリーズのアニメのほうが好き」と書いている人がいます。

いや、これ、イタリア産じゃないから、とまたしてもつぶやく私。

MONDO TVは、26話のアニメを78分や、1時間半にまとめた映画ふうバージョン(英語)も作っています。

これは、カナダのアマゾンプライムにありますが、 制作は2013年、2014年となっていて(なぜか2本あります)、監督、プロデューサーは Orlando Corradi(Mondo TVの創設者、2018年に亡くなっています)です。

1つは、「Cinderella and Prince Charles」というタイトルです。きっと、元のアニメから使っている部分が違うのでしょう。

Kanopy(アメリカやカナダむけの動画配信サービス)には、90分もの2本と、78分ものが1本あります。78分の作品は、 Cinderella: Consipracy at the Emerald Castle というタイトルです。

こちらは最初のほうを見てみましたが、いきなり第9話の冒頭から始まり(つまり、シンデレラと王子の出会い場面はいっさいなし)むちゃくちゃです。

必要な情報が落ちないようにきめこまかい編集をしているわけではなく、ものすごく大雑把な編集となっています。このような短縮版が作られているということはそれだけ人気があるからなのでしょう。

78分、90分のアニメのタイトルバックも、30分版のアニメとまったく同じなので、タツノコプロの名前はいっさい出てきません。

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