アドベンチャー・オブ・スノーホワイト (2012) の感想。

森林 白雪姫

Grimm’s Snow White (グリムの白雪姫)というタイトルの映画を見ました。邦題は『アドベンチャー・オブ・スノーホワイト』です。

低予算で、B級映画ですが、先日見た、『白雪姫と鏡の女王』(Mirror, Mirror) よりは退屈せずに鑑賞できました。

アドベンチャー・オブ・スノーホワイト、予告編

Grimm’s Snow White の基本情報

  • 制作、配給:The Asylum (アサイラム社)
  • 監督:レイチェル・リー・ゴールデンバーグ(アサイラム社の映画を作る監督)
  • 主演:ジェーン・マーチ(邪悪な女王)、エリザ・ベネット(白雪姫)、ジェイミー・トーマス・キング。主演3人ともイギリスの役者です。
  • アメリカ映画、90分。
  • 劇場公開はない、ビデオ・オン・デマンド作品とDVDで公開されている作品。
  • ジャンルはファンタジー

とにかく低予算

この映画の特徴を一言で言うと、ローバジェットという言葉に尽きます。『白雪姫と鏡の女王』の次に、この作品を見たため、ひときわ落差が激しかったです。

予告編を見ただけで、低予算なのはよくわかります。なんの予備知識もなく見始めた私は、「これって、テレビ映画なのかな?」と思っていました。

制作したアサイラム社という会社は、パクリ映画(モックバスター)を作ることで有名で、固定ファンもいるそうです。

私は、ファンタジー映画はほとんど見ていないため、この映画が何かのパクリ、またはパロディなのかはわかりませんでした。

タイトルの意図

この映画のタイトルは、『グリムの白雪姫』だから、このタイトルを見た人は、『グリム兄弟の白雪姫』の話が展開されると思うでしょう。

確かに、大筋は白雪姫ですが、かなり逸脱しているので、ディズニーアニメの白雪姫のようなものを期待して見ると、大きく期待を裏切られ、レビューでぼろくそに言いたくなるはずです。

そもそも白雪姫が金髪なのですよね。漆黒の髪じゃない白雪姫ってありなんでしょうか。

このタイトルの意図は、『白雪姫』としておけば、視聴者を引きつけることができるからそうしたか、『白雪姫』としておかないと、見ている人が、この映画が、白雪姫だということを忘れるからそうしたか、そのどちらかだと思います。

まあ、スノーホワイトという名前の若い女性が出てくれば、白雪姫とわかりますが。めずらしい名前ですから。

あらすじ

ある国に邪悪な女王がいて、王様を殺し、別の国の王子と再婚して、国を牛耳ろうとします。

ところが、魔法の鏡が、一番きれいなのは、白雪姫だと言うし、王子は白雪姫と仲よさげに話をしているので、女王は、家来に、白雪姫を殺して、心臓を持ち帰れと命じます。

この女王は、自分が一番、美しい人でいることには、あまりこだわっていません(私にはそう見えました)。単に白雪姫が邪魔だから、殺したいのです。

ようするに、女王は、世界を征服したいのです。

この国には、もともと王子の国にいた、怪物(ドラゴンだと思う)が住んでおり、王様もドラゴンに食われて死にました。家来が白雪姫を殺そうとしたそのとき、このドラゴンが現れて、べつのお供の者が殺されます。もたもたしていると、自分も殺されると思った家来は、殺された家来の心臓をえぐって持ち帰ります。

ドラゴンが現れたとき、白雪姫は倒れてしまうのですが、そばにいたエルフ (妖精) が助けて、小屋に連れ帰ります。

そうです。この白雪姫ストーリーには、小人ではなく、エルフが登場します。エルフの見た目はほとんど人間ですが、耳がとがっています。彼らは薄汚れた柔道着みたいなものを着ています。

実は、昔、ドラゴンとエルフは空(宇宙の彼方)から落ちて来たのです。

この後、いろいろあって、最後は、女王の軍隊と、白雪姫、エルフ、王子たちの戦いになります。

芝居が下手すぎる女王

好みもあるかもしれませんが、邪悪な女王の芝居が下手なので、見始めてすぐ、リタイヤしそうになりました。

白雪姫ものとしては、最初に名女優の、 ヴァネッサ・レッドグレイヴ の女王を見てしまったため、誰がやっても(これで3人めですが)、下手に見えるのかもしれません。

この国(またはその近所)には、昔、隕石が落ちてきたときから燃えている緑色の炎があって、これはエルフのものですが、この炎を手に入れると、世界(というか、自分の国と王子の国?)を支配することができます。

女王はこの炎をほしいのですが、権力欲に突き動かされた様子があまり見られず、説得力に欠けます。

じゃあ、白雪姫役の人は芝居がうまいのか、ときかれるとそれほどでもないですが、もともと白雪姫は、ただ、きれいにしているだけでいい役なので、その役割は果たせていると思います。

B級の味わい

CGもあまりできがよくなく、ドラゴンが登場するシーンは、まるで昔のウルトラマンみたいです。とても、21世紀の映画には見えませんが、そういうB級の味わいが楽しい映画といえます。

アメリカのアマゾンや、IMDbのレビューも、高評価と低評価とでまっぷたつに割れています。

なぜドラゴンがいるのか不思議ですが、白雪姫にエルフが出てくるのは、なんとなくわかります。が、このエルフ、森の妖精というより、もとは宇宙からやってきた宇宙人で、ふしぎな力を持っています。

隕石のかけらなのか、皆、石のペンダントをしていて、この石をさわりながら、いろいろな魔法が使えます。4~5人のエルフが、石をさわりながら念じると地割れを起こすことができます。

そんなパワーがあるのに、人間より低い身分に甘んじているのは、人数が少ないからでしょうか。そして、そんなパワーがあるのに、なぜ、女王の軍隊とガチで、剣や弓矢を使って戦うのでしょうか?

ずっと修道院にいた白雪姫が、弓矢や、剣の名手であるのも謎です。

よく考えると、納得できませんし、特に気の利いたセリフがあるわけでもありません。

しかし、なぜか、 『白雪姫と鏡の女王』 よりは、おもしろく、王子と白雪姫のロマンスもそこそこあって、最後まで見てしまいました。

もう一度見たいとは思いませんが。

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