ジェームズ・マーシャルのシンデレラ(2006)の感想。

ティアラ ペロー童話

James Marshall’s Cinderella(ジェームズ・マーシャルのシンデレラ)という子供むけのアニメーソンフィルムを見ました。

ジェームズ・マーシャルは、アメリカの著名な絵本作家で、1970年代、80年代にたくさんの絵本を描いています(彼は1992年に50歳で亡くなっています)。

『シンデレラ』は12分足らずの短いアニメです。

ジェームズ・マーシャルのシンデレラ、最初の1分半

基本情報

  • 制作:  Weston Woods Studios
  • ストーリー:  Barbara Karlin 
  • 絵:ジェームズ・マーシャル
  • ナレーション:Stephanie J. Block
  • 公開:2006年

あらすじ

シャルル・ペローのシンデレラとほとんど同じです。それなのに、クレジットにシャルル・ペローの名前がありません。

シンデレラは誰もが知っている話だから、入れなくてもいいということなんでしょうか? 

素直にシンデレラの話をリテリングしていて、ストーリー的にはさしてひねりがないのですが、王道の話なので、それなりにおもしろいです(まあ10分ですから)。

フェアリーゴッドマザーが空から飛んでくるところは、夢があっていいと思いました。

ナレーターの人がうまく、音楽もよく、全体的に嫌味のない作品です。

さわやかなシンデレラ

ジェームス・マーシャルの絵柄はちょっとまんがふうで、私の好みです。 それに温かみがあります。

シンデレラの絵本は、それはもうたくさんあり、芸術的なものから、アニメふうのものまでいろいろです。ジェームズ・マーシャルのシンデレラは、ディズニーなどに比べて、からだが細すぎず、ふつうっぽいところがいいです。

まま母と姉2人は、どっしりしているし、化粧が濃いし、服装もにぎにぎしく、ごてごてと飾り付けていて、いかにも派手で、態度が大きい様子がよく表れています。

姉2人はげじげじ眉の持ち主で、舞踏会に行く前に化粧をするとさらにゲジゲジになります。

姉たちに比べて、シンデレラはとてもさわやかで、育ちのよさや性格のよさが出ています。

人物の目はただの点なのに、表情が豊かなのもすごいです。

ジェームズ・マーシャルの嫌いな先生

ジェームズ・マーシャルは、正式に絵を習ったり、絵の学校へ行ったりはしていません。

幼いときから絵を描くのが大好きで、 8歳ぐらいのとき、将来はアーチストになろうと思っていたそうです。

ある5月の暑い午後(場所はテキサス)、ジェームズが、学校で絵を描いて、自分でもすごい傑作だと思い、プチピカソになったつもりでいたら、後ろから魔女のような笑い声が聞こえてきました。

女の先生が、長い爪をした指先で、ジェームズの絵をコンとたたき、「ジミー、あなた、絶対アーチストにはなれないわよ。これまで見た中で最悪の絵だわ」と言ったそうです。

ショックを受けた彼は、握っていたクレヨラのライムグリーン色のクレヨンを落とし、それから20年間、決して絵を描かなかったとか。

20代後半のとき、学校の先生をしていて、仕事が大変で、家でリラックスするために、また絵を描き始めたと言っていました。

絵本作家になってからは、自分の好きな先生もよく描いたそうですが、彼の絵をけなした、一番きらいな先生もよく登場させているそうです。

小学校の先生は、子供の人生に大きな影響を与えることがありますね。私も、小学校ではありませんが、体育の先生や家庭科の先生に言われた嫌味はいまだに覚えています。

ジェームズのように、絵本作家や漫画家であれば、嫌いだった先生を登場させたいところです。

ジェームズ・マーシャルのシンデレラは、翻訳されていませんが、翻訳されている作品もあります。図書館で探してみてください。

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