絵柄と作画について

木の幹 『シンデレラ物語』について

今回は、『シンデレラ物語』の絵について書きます。絵はきれいで、登場人物の表情もかわいいと思います。

古い絵柄が作品に合っている

私はアニメに全く詳しくないので、はっきりしたことはいえませんが、90年代のアニメなので、絵柄は古いはずです。しかし、この作品は、時代背景が昔(17世紀頃と推定)なので、古い絵柄でも問題ありません。

私はむしろ最近のアニメよりも、好きな絵柄だったりします。

線はくっきりはっきりしていて、顔の表情に光と影をしっかり描いているのが特徴です。基本的に少女漫画路線のアニメなので、かわいい絵柄ではないでしょうか?

それと、人のプロポーションはアニメとしては、比較的人間に近く、この点も気に入っています。あくまで比較的、ですが。

サンドリヨンの友達のネズミ2匹は、犬のあたまにのっているときは、すごく小さく思えますが、単体で登場しているときは、わりに大きく、本当はどのぐらいの大きさなのか、よくわかりません。

いつの時代かよくわからない背景

背景の絵もきれいです。

昔という設定ですが、建物、街の様子、人々の服装などを見ただけでは、いつの時代か特定できません(単に私に知識がないからか?)

なんとなく昔なんだけど、時代不詳の雰囲気が、昔の少女マンガみたいです。

森や、きらきら流れる川など、自然の描写は美しいです。

作品中、何度も出てくるシンデレラの家と、お城の外観は、いつも同じものを使いまわしているように見えます。しかも、毎回同じ角度です。

昔のテレビドラマによくあった演出を思わせます。

お城の時計は、夜だと、いつも12時です。つまり真夜中ですが、この時間帯に、よくシャルル王子と側近のアレックスが話をしています。昔、お城に住んでいた人は、夜寝るのが遅かったのでしょうか?

場所もいまひとつよくわからない

物語の舞台である、エメラルド王国がどこなのかも、ちょっとわかりません。

原作者が、フランス人のシャルル・ペローなので、フランスあたりなのかと思っています。しかし、17世紀のフランスなら、もっと教会がありそうですが、そういう建物はでてきません。

お城が街の北のはずれにあるのは、ディズニーのアニメ、『シンデレラ』の影響でしょうね。

作画する人によって絵が違い過ぎる

作画する人(なのか、アニメーターか知りませんが)によって、シャルルの顔がかなり変わるので、もう少し統一してくれていれば尚よかったです。。

私が好きなのは、舞踏会で踊っている、わりと涼しげな顔のシャルル(これは少女漫画ふう)ですが、エピソードによっては、少年漫画ふうだったり、劇画ふうだったり、いろいろあります。

特に苦手なのは22話のシャルルとサンドリヨンで、気分が悪くなりそうなほど目が大きいです。

ですが、「バリエーションを楽しめるからいいか」と考えることにしています。

作画崩壊も多数ある

アップになる表情は、ちゃんと描かれていますが、少し離れた場所にいる人物の顔やデッサンが変なことがしばしばあります。

また、動きがぎくしゃくしていて、『これはギャグなのか、それとも、作画の乱れか?」と判定しかねるシーンもあります。

第20話の最後で、サンドリヨンがイザベルとメルヴィルに「さようなら~、元気でね~」と橋の上から手を振るシーンは、振っていないほうの手や肩が変なふうにゆれていて(ぎくしゃくしていて)、不自然です。それとも、力いっぱい手を振っていることを表現しているのでしょうか?

作画のクオリティは高くはないと思うけど

そんなわけで、作画のクオリティは、いまのアニメに比べたら、さほど高いとは思いません。ですが、アニメを作るのはかなり大変な作業だし(とくに昔は)、予算もそんなになかったのかもしれないし、何より、話がおもしろいので、全体としては、そこまで気になりません。

登場人物の表情も好きです。

Facebookに、We want a Cinderella-Monogatari Remake(シンデレラ物語をリメイクしてほしい)というタイトルのページがあります。

そのページの紹介には「私たちは、このアニメが大好きだから、もう少し、ひねりを加え、べつのキャラクターも投入し、プロットはそのままで、もっと深みのあるストーリにしてリメイクしてほしい」という要望が書かれています。

もしリメイクするさいは、シャルルとサンドリヨンの顔をすべて同じにしてもらえると、いいな、と思います。それも、第26話あたりの顔で。

まあ、リメイクなんて、絶対ないでしょうけどね。

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