スノーホワイト/白雪姫(2001)の感想。

お城 白雪姫

Snow White: The Fairest of Them All(直訳:白雪姫:世界で一番美しい人)を見ました。

邦題は、『スノーホワイト/白雪姫』ですが、あまりに、直球すぎるタイトルですね。もうひと工夫できなかったのか?

内容は幻想的で、私はわりと好きな映画です。

Snow White: The Fairest of Them All (予告編)(1分10秒)

スノーホワイト/白雪姫の基本情報

  • 監督、共同脚本:キャロライン・トンプソン。この方は、『シザーハンズ』『秘密の花園(1993)、『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』などの脚本家。
  • 主演:ミランダ・トンプソン(女王)、クリスティン・クルック(白雪姫)、クランシー・ブラウン(3つの願いを叶える男)
  • 原作:グリム兄弟の『白雪姫』
  • ヨーロッパでは劇場で公開され、翌年アメリカではテレビで公開。93分。
  • 日本ではNHKで2002年に公開されています。DVDもあります。

あらすじ

ジョンとジョー(ジョゼフィーヌ)という夫婦に待望の赤ちゃんが生まれる。この2人はべつに王様でもなんでもない、ふつうの人というか、むしろまずしい農民風情。赤ちゃんが生まれたのもつかのま、母親ジョーはベッドの中で、そのまま死んでしまう。

ジョーを埋葬したあと、ジョンは赤ん坊を抱き、「もう行かなければ」と雪の中をふらふらと出ていく。彼は、お金も食べものもないらしい。雪の中を赤ん坊をつれてさまよう姿は、『砂の器』のお遍路さんを(ちらりと)思わせる。

ジョンは、力尽きで、雪の上で倒れてしまう。涙を流すジョー。その涙が、凍りついている地面に落ちてとけていく。するとなんと、不思議な生き物(悪魔または魔法使いふう)が立ち上がり、ジョーに「自由にしてくれてありがとう。お礼に、3つの願いを叶えよう」と言う。

あっけにとられているジョーに、男は、「おまえが欲しいものは何だ?」と聞く。ジョーは、「赤ん坊にやるミルクがほしい」という。男はふところからミルクを出して、ジョーに手渡す。「ほかに欲しいものは?」と聞かれて、ジョーは、「妻を、妻を生き返らせてくれ、私のクイーンだ」という。

「死人を生き返らせることはできないが、クィーンなら用意できる」と男は言う。さらに男は、「クイーンがほしいなら、王国もいるんじゃないか?」と聞く。「ああ、男ならだれだって自分のキングダムがほしいものさ」とジョーが答えると、男は、いきなりお城と召使いを出す。

さらに男は、自分の妹(顔にできものがたくさんありとても醜い)のところへ行き、魔法の鏡で、妹を美しいクイーンにして、ジョーのもとに送り込む。

かくして、王様、クイーン、白雪姫という、この物語を展開するのに必要なキャラクターがそろう。そのあとは、白雪姫ふうに話が進む。

ミランダ・トンプソンがいい感じ

女王役は、ミランダ・トンプソンですが、醜い妹のときも、美しくなった女王のときも、説得力のある演技を見せます。

これは、醜い娘から、美女に変わるシーンです(2分)

人一倍醜い顔の持ち主が、たまたま美しくなったのですから、その後、美に執着するのもわかります。元通りになるのが不安で、やたらと鏡に、「世界で一番鬱うしいのは誰?」と確認してしまうのです。そして、鏡が、「あなたよ」というと、小躍りして喜びます。

この王国ができて16年後、近隣の国からアルフレッド王子がやってきます。女王は彼を気に入りますが、王子は白雪姫にひかれます。おまけに、鏡は、一番美しいのは白雪姫だと言います。嫉妬にかられた女王は、王子をクマ(!)に変え、家来に白雪姫を殺させようとします。

邪悪な女王ではありますが、ほかの映画のように、魔女化しないところに好感が持てます。彼女は、嫉妬に突き動かされたあわれな女とも言えます。

おとぎ話の世界観

この映画は、ストーリーもちょっと変わっていますが、いろいろとオリジナルなアイデアが盛り込まれています。

たとえば、女王が鏡の部屋のみならず、外の世界のことがわかる魔法の手鏡(凶器にもなる)を持っていたり(兄にもらった)、小人がそれぞれ虹の色をしていて、横並びになって念をおくると虹になって、遠いところへ飛んでいったり、小人の置物(ガーデングッズ)が、実はノームが魔法によって人形にされてしまったものだったり。

鏡からは世界で一番美しい人が飛び出てきます。

鏡のシーン(1分30秒)

お城の中の様子や、食器などもこっていて、おとぎ話の世界をうまく再現しています。こうした独自のアレンジの感性に自分の感性が合えば楽しく見られるでしょう。逆に合わない人はげんなりするかもしれません。

その他の見どころ

白雪姫を演じている女優も清楚で役に合っています。

白雪姫(クリスティン・クルック)

ちょっと東洋人っぽいところがユニークですね。森の情景や、雪が舞うシーンもきれいだし、音楽もいいです。機会があったら見てください。

日本のウィキペディアで詳細を見たら、NHKで放映されたときの吹き替えは、クイーンが山本陽子、白雪姫が安達祐実、ジョンが大和田伸也、ジョー(白雪姫の母)が戸田恵子と豪華キャストです。野沢那智も小人の1人として登場します。

DVDは吹き替えが変わっていますが。

コメント

  1. masausa より:

    オーソドックスなストーリーながら背景のベース設定、面白いですね。センスいいと思う。子供の絵本じゃないのだから、こういうところにオリジナリティをふんだんに盛り込めるところが映画作品の良さですね。

    トップの写真、シエナの市庁舎ですか?無料でこんな素敵な写真があるなんて!いいもの見つけましたね。

    • pen より:

      この映画、そこそこおもしろかったですよ。ただ、王子をクマにしなくてもいいと思いましたけど、

      クマになって、森の中をさまよい、さらに、スノーグローブの中に閉じ込められるんです。

      王子と白雪姫のロマンスがもっと感じられれば、さらによかったです。

      画像は、castle で検索してたまたま出てきたのを使ったのですが、いま、調べて見たら、撮影場所はSiena, italyとありましたので、そうでしょう。

      このアングルで撮っている写真、ほかにもありますが、この写真が一番スッキリしています。

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